2013 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌化学療法の効果予測マーカー、新規予後予測マーカーの開発
Project/Area Number |
25861191
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
徳久 善弘 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (30379961)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 大腸癌 / cell-free DNA / integrity / 個別化医療 |
Research Abstract |
近年、大腸癌は増加傾向にあり化学療法により転移巣を制御することで、予後の延長が期待できる。本研究の目的は、末梢血液中を循環しているcell-free DNA(cfDNA)、その中でも、正常細胞に由来する短鎖cfDNA と癌細胞に由来する長鎖cfDNA の比であるintegrity を定量評価することにより、大腸癌の予後予測と、転移巣に対する化学療法の効果予測を治療開始前と開始後早期に高精度に行うことである。本研究の成果として、末梢血から予後・治療効果予測が可能となれば、多様化している癌治療をより個別化することで、治療効果、そして医療経済の点からも、効率がよく質の高い治療を行うことが可能と考えられる。 研究順序として、大腸癌化学療法患者において、1.integrity を計測するのに十分なcfDNA を採取できるサンプリング条件の設定から開始する。cfDNA が安定して抽出できるようになれば、2.integrity測定方法を確立する。安定したintegrityの計測が可能となった後、3. 動物実験で腫瘍とintegrity、化学療法とintegrity の関係について検証。条件設定が完了したところで、4.症例の集積を開始する。症例の集積と同時に、5.integrity と治療効果・予後の関連性を検討していく。最終的には6.integrity による治療効果・予後予測システムを確立する。また、7.他癌腫でも同様なシステムが可能か検討する。 当該年度は血漿検体および血清検体でのcfDNA量を比較し、抽出方法を確立し、至適なプライマー設定を完了した。また進行再発大腸癌患者の検体を用いて、化学療法前後でのintegrityの測定を行い算出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ターゲット遺伝子をハウスキーピング遺伝子であるβ-actin を使用し、長鎖・短鎖ともに同一のforward primer を設定し、それぞれ100bp、400bp 程度となるようにreverse primerを設計した。 integrity を計測するのに十分なcell-free fDNA を採取できるようなサンプリング条件の設定を行い,cell-free DNAを抽出し、安定したintegrityの計測が可能となった。至適な条件設定を確認して、進行、再発大腸癌患者92名の血清サンプルに対して、上記プライマーを用いてintegrityを算出した。
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Strategy for Future Research Activity |
integrity と予後(再発の有無・生存期間)、治療効果、また副作用発現を検討する。その他、臨床病理学的背景も検討し、予後・治療効果予測システムを確立し、成果を報告する。 結腸直腸癌以外の他の癌種においても、同様なシステムの確立が可能か検討する。
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