2013 Fiscal Year Annual Research Report
わが国の主要消化器癌患者における骨格筋減少症の評価とその分子機序解明
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25861195
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
播本 憲史 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 共同研究員 (00419582)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 骨格筋減少症 / サルコペニア / 癌 / 予後 |
Research Abstract |
【目的】癌患者における骨格筋減少症と対応する臨床病理学的因子との比較を行った。 【対象】胃癌切除症例48例、大腸癌切除症例110例、肝細胞癌切除症例186例、食道癌切除症例200例 【方法】術前CTを用いて第3腰椎レベルにおける骨格筋の面積を測定し身長の2乗で割った値を求め、従来の報告に従い男性43.75(cm2/m2)未満、女性41.1(cm2/m2)未満を骨格筋減少症(sarcopenia)と定義し、sarcopeniaと臨床病理学的因子を比較検討した。肝細胞癌患者においてELISA法にて術前のIGF-1濃度を測定し、sarcopeniaとの相関を検討した。 【結果】1. 胃癌患者においてsarcopenia群は予後が悪い傾向にあった。p=0.22、sarcopeniaはAlbと有意に相関した。2.大腸癌においてsarcopeniaと予後の関連は見られなかったが、Sarcopenia群で有意に術後合併症が発生した。3.肝細胞癌患者において多変量解析でもsarcopeniaが生存(Hazard比4.69 ,p=0.048)、再発(Hazard比2.94,p=0.019)に関する独立予後不良因子であった。4.食道癌患者StageII,IIIで術前治療した症例としなかった症例では、sarcopenia症例に術前治療をすると予後が悪い傾向があった。 5.肝細胞癌患者において骨格筋量とIGF-1値は弱い相関関係があった(R2=0.034,p=0.023)がロジスティク回帰分析ではsarcopeniaの独立規定因子ではなかった。 【結論】sarcopeniaは肝細胞癌患者の術後再発・生存の独立規定因子であった。発生機序に関しては更なる検討を要する。胃癌、大腸癌、食道癌切除患者においての検討ではサルコペニアと予後に有意な関係を認めることはできなかった。
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Research Products
(4 results)