2015 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌進展におけるSPINK1の分子機構の解明と新規分子標的治療への応用
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25861196
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
井田 智 公益財団法人がん研究会, その他部局等, その他 (80583038)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 炎症性腸疾患 / SPINK1 / 細胞増殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 大腸癌切除標本を用いて、SPINK1の免疫組織化学染色を行った。55%の患者でSPINK1が発現していた。なかでもSPINK1は分化型および、より進行度の高い症例で有意に高発現していた。 2) 次に大腸癌進展におけるSPINK1の機能を解析するために、SPINK1ゲノムDNAを改変した2KbのSPINK1 minigeneを作成した。大腸癌細胞株にこのSPINK1 minigeneを導入し、過剰発現させるとその細胞数は有意に増加した。さらに、マウスにてユビキタスに発現するCAGプロモーターを結合させた、トランスジェニックマウスを作製し、大腸癌の腫瘍発生について検討した。マウスにアゾキシメタンとデキストラン硫酸ナトリウムを併用し、炎症関連大腸癌を発癌させたところ有意に腫瘍個数と腫瘍体積が有意に増加した。 3) SPINK1をターゲットとしたsmall interfering RNA (siRNA)を大腸癌細胞株に導入し、SPINK1を抑制すると、その細胞数は有意に減少した。またSPINK1のマウスホモログであるSpink3のヘテロマウスに同様の方法で大腸癌を発癌させると、野生型と比較し有意に腫瘍個数が減少することを昨年度までに報告している。 以上より、SPINK1/Spink3は大腸癌細胞の増殖に寄与しており、大腸癌の進展に影響する可能性がある。 本年度は、上記マウスを用いた実験を行い、かつ大腸癌細胞株4株 (Colo205, HCT116, HT29, SW620)について新たに再現性実験を行った。最終結果を、Molecular Cancer Research誌に発表した。
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[Journal Article] SPINK1 status in colorectal cancer, impact on proliferation, and role in colitis-associated cancer.2015
Author(s)
Ida S, Ozaki N, Araki K, Hirashima K, Zaitsu Y, Taki K, Sakamoto Y, Miyamoto Y, Oki E, Morita M, Watanabe M, Maehara Y, Yamamura K, Baba H, Ohmuraya M.
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Journal Title
Molecular Cancer Research
Volume: 13
Pages: 1130-1138
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant