2014 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌腹膜播種を誘導する特異的間質細胞の同定および膵癌新規治療法の開発
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25861198
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森山 大樹 九州大学, 大学病院, 助教 (70586859)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 膵癌 / 腹膜播種 / 筋線維芽細胞 / 腹膜中皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、腹膜間質細胞による膵癌の腹膜播種形成過程への関与の検討を行い、癌間質相互作用により膵癌腹膜播種結節から樹立した腹膜線維芽細胞(hPFs)が膵癌の腹膜播種形成を促進することを示した。hPFsの発生起源として、元来腹膜に存在している線維芽細胞、腹膜中皮細胞、骨髄前駆細胞、原発巣の筋線維芽細胞などが考えられているが、はっきりとは分かっていない。そのため、今回、腹膜中皮細胞(human mesothelial cell; hPMC)に焦点を当てて、膵癌の腹膜播種形成におけるhPMCの役割に関して検討を行った。 1. 腹膜中皮細胞(human mesothelial cell; hPMC)の樹立-大網、癌性腹水の各々からhPMCの樹立を行い、形態観察、免疫蛍光染色によりhPMC関連マーカーの確認を行った。また、TGF-b1投与により間葉系への形態変化を認める活性化腹膜中皮細胞(activated human mesothelial cell; a-hPMC )の樹立を行い、関連マーカーのmRNA発現解析により確認した。 2. 腹膜中皮細胞と膵癌細胞における癌間質相互作用(遊走能、浸潤能)の評価(in vitro)-樹立したhPMC、a-hPMCと膵癌細胞株SUIT-2を用いてin vitroの実験を行い、間接・直接共培養下において、hPMCとの癌間質相互作用により膵癌細胞の遊走能・浸潤能は増強され、a-hPMCとの共培養よりさらに増強されることを示した。
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