2013 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌におけるVSNL-1発現亢進の機能的意義の解明
Project/Area Number |
25861206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
赤木 智徳 大分大学, 医学部, 助教 (80572007)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リンパ節転移 / リンパ管侵襲 / 分子生物学的解析 / 糖鎖 |
Research Abstract |
【はじめに】VSNL-1が大腸癌の悪性化に関わる分子であることを、大腸癌細胞株を用いて証明するとともに、大腸特異的にVSNL-1を過剰発現するマウスを作製して、VSNL-1の個体レベルでの機能を解明する。同時に、3年の研究期間に、癌の予後因子であるリンパ節転移の機序や遠隔転移の有無とリンパ管新生との関連を分子生物学的手法、免疫組織学的手法、網羅的遺伝子解析、および電子顕微鏡を用いた形態学的手法を用いて解明する。初年度は当教室で研究している大腸癌および胃癌細胞における糖鎖に着目し、リンパ節転移や遠隔転移に関連する糖鎖研究を行った。【方法】53例の大腸癌組織・60例の胃癌組織および非癌部組織を使用した。組織より抽出した膜タンパク質をBCA法にてタンパク質定量し、cy3で蛍光標識した。糖鎖を認識するレクチン45種類を固層化したレクチンアレイ(GP BioSCIENCES)を使用して糖鎖プロファイリングを解析した。腫瘍部/非癌部のシグナル比を算出し、臨床病理学的因子との関連を検討した。【結果】大腸癌リンパ節転移陽性症例は、陰性症例に比べ、有意にレクチンTJA-Iのシグナル上昇、及びPHAE,DSA,STL,MAHのシグナル低下を認めた。一方、リンパ管侵襲陽性症例では陰性症例に比べ、有意にレクチンTJA-I,HHLのシグナル上昇、EEL, Jacalin,MPAのシグナル低下を認めた。一方胃癌ではリンパ節転移陽性症例は、陰性症例に比べ、有意にレクチンMAL、SNA、SSAのシグナル上昇、及びDBA、GSL_I_A4のシグナル低下を認めた。一方、リンパ管侵襲陽性症例では陰性症例に比べ、有意にレクチンMAL、SSA、HHLのシグナル上昇を認めた。【まとめ】大腸癌のリンパ節転移、リンパ管侵襲に有意に相関するレクチンを同定した。また同様に胃癌のリンパ節転移およびリンパ管侵襲の存在に有意に相関するレクチンを同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
VSNL-1が大腸癌の悪性化に関わる分子であることを、大腸癌細胞株を用いて証明するとともに、大腸特異的にVSNL-1を過剰発現するマウスを作製して、VSNL-1の個体レベルでの機能を解明することを目的とした本研究において、初年度は糖鎖解析ツールを用いることができ、大腸癌および胃癌のリンパ節転移、リンパ管侵襲に有意に相関するレクチンを同定することができた。今後も研究計画に沿って研究遂行を継続する。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究においては、3年の研究期間を予定し、VSNL-1が大腸癌の悪性化に関わる分子であることを、大腸癌細胞株を用いて証明するとともに、大腸特異的にVSNL-1を過剰発現するマウスを作製して、VSNL-1の個体レベルでの機能を解明したいと考えている。本年度は、1)VSNL-1発現と悪性形質との関連性を検討する。大腸癌細胞株においてVSNL-1発現量と悪性形質(増殖能、浸潤能、アポトーシス耐性能等)に相関性があるか否かを検討する。次にVSNL-1の発現抑制あるいは強制発現でこれらの悪性形質が変化するか否かを調べる。次年度では大腸特異的にVSNL-1を過剰発現するマウスを作製して、VSNL-1の個体レベルでの機能を解明し、更なる解析を進める予定である。具体的には下記内容である。1)大腸上皮におけるVSNL-1発現亢進の意義を調べる。大腸特異的にVSNL-1を過剰発現するトランスジェニックマウスを作製して、VSNL-1の発現亢進が正常大腸上皮にどのような形質変化をもたらすかを観察する。2)大腸腫瘍におけるVSNL-1発現亢進の意義を明らかにする。 大腸腺腫を発症するモデルマウスであるAPC MINマウスと、上記マウスを交配する。APC欠損にVSNL-1発現亢進が付加されることによって、発症する腫瘍の悪性度は進展するか否かを検討する。●本研究期間である3年の間に、消化管がんの増殖・進展に及ぼすリンパ管新生の役割について解析検討する。
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Research Products
(2 results)