2013 Fiscal Year Research-status Report
陳旧性心筋梗塞に対するCardiosphere由来細胞シートの効果
Project/Area Number |
25861230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
鈴木 亮 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (10570319)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 細胞シート / 心筋梗塞 |
Research Abstract |
初年度は、マウスおよびヒト心臓より単離したcardiosphere-derived cell(CDC)の分化能を検証し、CDCが心筋細胞のみならず血管平滑筋や血管内皮細胞へ分化し得ることを免疫蛍光染色により明らかとした。この際、広く用いられているCDC調整法とは若干異なる方法を考案し、より簡便にCDCが調整できるプロトコルを確立した。本年度はさらに、温度感受性培養皿を用いてCDCシートを作成し、シート作成に必要な最適な細胞数や条件を決定した。また、ELISAによってCDCシートの培養上清中に血管新生因子VEGFおよびHGF、マトリックスメタロプロテアーゼ2が高産生されていることを明らかとした。これらの結果は、CDCシートが梗塞部において効率よく血管新生を誘導すること、またシートから梗塞心へ細胞が浸潤する可能性があるという申請者の仮説を強く支持するものである。 また本年度は、マウス陳旧性心筋梗塞モデルの作成プロトコルを確立することができた。本研究では、マウス心臓の冠動脈分枝を結紮する方法で陳旧性心筋梗塞を作成するが、マウスは非常に弱く作成にはかなりの技術的成熟が必要とされる。次年度に行う予定であった技術習得を本年度に行うことができたことは次年度に行う予定のCDCシートの移植実験をスムーズにするものであり、安定した結果が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定していたCDCの調整、CDCシートの作成、CDCシートにおける各種サイトカインの測定、等を円滑に進めることができた為、概ね順調でると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に確立したCDCシート作成技術および陳旧性心筋梗塞モデル作成技術を用いて、CDCシートの心機能回復効果や線維化の減少効果などについて、心エコーや組織学的に解析する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
陳旧性心筋梗塞マウスモデル作成の手技確立が思いのほかスムーズに進んだため、本年度使用予定であったマウスおよび関連試薬を低額に抑えることができた。 次年度繰越金は梗塞心への細胞シート移植実験においてマウス例数を増やすのに使用する。これによってin vivoデータの信頼性を高めることができると考えている。
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