2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25861234
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
栗田 二郎 日本医科大学, 医学部, 助教 (20421183)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 再生医療 / 心臓血管外科 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)PRP作成:Japanese White Rabbit の大腿静脈より静脈血を採取し、二回遠心分離法でPRPを作成する為に様々な遠心条件を検討した。全血と遠心分離にて得られたPRPを血球計数測定装置にて測定し、PRP/全血が5以上を使用基準とした。最終的に一回目:4℃, 1000G, 10分、二回目:4℃, 2100G, 10分の条件で作成した結果、PRP4検体の<PRP/全血>平均値が10.6と最も高値であった。その後、塩化カルシウムを投与し、アクチベートした後に、細かく切開したゼラチンハイドロゲルと撹拌し、投与を行った。 2)胸骨虚血モデルの作成:Japanese White Rabbit 24検体を、以下の3群に無作為に分けた。①胸骨正中切開後、両側内胸動脈を結紮した群 、②胸骨正中切開後、両側内胸動脈を結紮し、PRPを胸骨および胸骨周囲に投与する群、及び③胸骨正中切開後、両側内胸動脈を結紮し、ゼラチンハイドロゲルによる徐放化PRPを胸骨および胸骨周囲に投与する群。モデル作成後、後述する検討項目データを採取し、4週間後に屠殺し、評価を行った。 3)病理学的及び力学的評価:胸骨周囲の血管新生の評価の為、Anti Rabbit CD31及びCD34抗体を使用した免疫染色により微小な血管の染色が可能であり血管数のカウントが行えた。しかしながら、同種抗体であり、疑陽性率が高くなることが懸念されたため、HE, Masson染色により血管数のカウントを行う方針とした。また、骨癒合の評価として胸骨CTを撮影し、BMC(bone mineral content), BMD(bone mineral density)を解析する予定である。また、骨の張力テストとして、胸骨に独自に作成した治具を取り付け、オートグラフにかけて切開線に対して垂直に引っ張りその強度を測定することも検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1)確実な虚血状態の維持や感染の回避など、安定した胸骨虚血モデルの作成に難渋した。 2)前述のごとく、Anti Rabbit CD31及び CD34抗体を使用した免疫染色により微小な血管の染色を行い、血管数のカウントを検討したが、同種抗体であり、疑陽性率が高くなることが懸念されたため使用を断念した。その他に、微小血管の評価方法としてマイクロビーズや色素等による還流固定も検討し、試行するなど新生血管評価方法の決定に難渋した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、骨癒合評価方法の確立を目指し、CTによるBMC(bone mineral content), BMD(bone mineral density)の解析や、独自の設計による骨の張力テストを試行している。また、骨再生・骨周囲新生血管のシンチグラフィーによる評価なども新たな血管新生効果の評価として追加すべく、その条件を検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
実験計画の遅延により、既存の設備、資材内あるいは心臓血管外科研究費による共用物を使用することで、実験評価内容の検討を継続することが可能であった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後、本実験、追加実験に向けての設備投資及び物品費に使用予定である。
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