2014 Fiscal Year Research-status Report
ROR1を標的とした肺癌の免疫治療に向けた基盤研究
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25861239
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
林 諭史 旭川医科大学, 医学部, 助教 (10463754)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 癌免疫療法 / ROR1 / EGFR |
Outline of Annual Research Achievements |
研究対象となる原発性肺腺癌患者240名の組織ブロックより,マイクロアレイを作成した.1スライドに15例の肺癌組織を並べ,ROR1,EGFR,EGFR(L858R),EGFR(E746-A750)の免疫染色を施行した.結果,ROR1発現とEGFRの発現に正の相関がみられた.ROR1とEGFR(L858R),EGFR(E746-A750)には明らかな相関はみられなかった.次に,ROR1発現やEGFR発現が予後と相関しているかを確認するために質問紙法を用いて,肺癌患者240例の予後調査を行った.ROR1/EGFR発現と臨床病理学的因子について多変量解析を行ったが,これらには明らかな相関はみられなかった.癌免疫療法を構築するためには,腫瘍でROR1が発現していることに加え,正常組織でROR1の発現がみられないことが重要である.正常組織でROR1の発現がみられた場合,自己免疫疾患を誘発し,癌治療に支障を来す.肺腺癌を含む各種癌細胞株と正常細胞株(自己樹状細胞)を用いて,ウエスタンブロット法を施行した結果,癌細胞株の約80%でROR1の発現がみられた.それに対し,正常細胞株ではROR1の発現はみられなかった.更に,市販の癌組織アレイ,正常組織アレイでROR1の発現を免疫染色で確認したところ,正常組織アレイでのROR1発現はみられなかった.このことから,ROR1は癌免疫療法の有用なターゲットとなることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在のところ,おおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
現在の部分までで,論文に仕上げ報告する.その後,可能であればペプチドを作成し,予備実験を開始する予定である.
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Causes of Carryover |
翌年に経費のかかる実験があるため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験用物品の購入
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