2015 Fiscal Year Research-status Report
ROR1を標的とした肺癌の免疫治療に向けた基盤研究
Project/Area Number |
25861239
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
林 諭史 旭川医科大学, 医学部, 助教 (10463754)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ROR1 |
Outline of Annual Research Achievements |
対象肺腺癌患者について,より詳細な予後の調査と統計処理を施行した.ROR1は免染の強度を0~3+で評価し,1+以上を陽性.EGFRは癌細胞膜が染色されたものを陽性とし,臨床病理学的に検討した.また,ウエスタンブロット法で各種癌細胞株のROR1発現状況について検討した.平均経過観察期間は2114±1257日,平均年齢66歳,男126例/女114例,喫煙歴54%.病期はI:197例,II:19例,III:22例,IV:2例,5年生存率は85.2%であった.肺腺癌においてROR1は88%,EGFRは81%,EGFR変異(L858R)は23%,EGFR変異(E746-A750)は21%で陽性であった.ROR1発現/EGFR陽性/L858R陽性/E746-A750陽性率は,0/33%/7%/3%,1+/84%/25%/20%,2+/93%/25%/27%,3+/97%/24%/30%であり,ROR1とEGFR,E746-A750陽性率に正の相関あり.Cox比例ハザードモデルにおいてROR1/EGFR発現と予後に相関なし.多変量解析ではROR1/EGFR発現と 性別,喫煙歴,病期,生存,再発は関連なし.ウエスタンブロット法で多くの癌細胞株にROR1の発現を認めたが正常細胞では認めなかった.肺腺癌は未だ予後不良であり新治療法が希求されている.肺腺癌ではROR1が高頻度に陽性で,EGFRと正の相関がみられた.ROR1やEGFR発現は予後予測因子ではないが,両者が肺腺癌で協調して発現している可能性が示された.ROR1は正常組織で発現なく,癌関連抗原としてEGFRとともに新たな分子標的薬や癌免疫療法の標的となる可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進んでいると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
更に予後調査を行う.
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Causes of Carryover |
物品購入が遅れたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験用機材の購入を行う.
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