2015 Fiscal Year Annual Research Report
EMTを起こした肺癌循環腫瘍細胞のマイクロ流体チップシステムを用いた検出法の開発
Project/Area Number |
25861251
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
近石 泰弘 産業医科大学, 医学部, 助教 (70609221)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 肺癌 / 循環腫瘍細胞 / 上皮間葉移行 / マイクロ流体チップ |
Outline of Annual Research Achievements |
循環腫瘍細胞(Circulating Tumor Cell: CTC)は微小遠隔転移の指標とされるが、現在CTCの分離・検出に用いられているCellSearch Systemは上皮マーカーのEpCAM(Epithelial Cell Adhesion Molecule)を標的として細胞を捕捉するため、上皮間葉移行(Epithelial Mesenchymal Transition: EMT)を起こしている腫瘍細胞を検出することは難しい。EMTは悪性腫瘍の浸潤転移に関与するとされ、このような細胞を検出する意義は大きい。そこで我々はEpCAMも含めて任意の細胞表面抗原を標的として細胞を分離検出することが可能な新規マイクロ流体チップシステムについて基礎的性能の評価を行った。 まず、EpCAM陽性細胞(PC-9:肺癌細胞株)と陰性細胞(ACC-MESO-4:胸膜中皮腫細胞株)を用いて細胞捕捉率を確認した。PC-9は抗EpCAM抗体(EpCAM-chip)により効率よく捕捉され、MESO-4は抗EpCAM抗体では捕捉されなかったが、抗Podoplanin抗体(Podoplanin-chip)により捕捉された。続いて捕捉感度の検定とCellSearchとの性能比較を行った。PC-9では1mLあたり10個の細胞でもほぼ100%捕捉可能、MESO4は40-100%であった。EpCAM陽性細胞のPC-9はEpCAM-chipを用いてCellSearchとほぼ同等の捕捉率が得られたが、EpCAM陰性細胞のMESO-4はCellSearchでは検出できず、Podoplanin-chipで55-70%の捕捉率が得られた。
|
Research Products
(2 results)