2013 Fiscal Year Research-status Report
免疫賦活効果を発揮する抗腫瘍エフェクター細胞の作製と肺癌免疫療法への応用
Project/Area Number |
25861253
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | 愛知県がんセンター(研究所) |
Principal Investigator |
張 エイ 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍免疫学部, リサーチレジデント (00643719)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 癌 / 外科 / 免疫 |
Research Abstract |
健常人末梢血単核球よりCD3陽性T細胞を磁気分離して、CD3/28ビーズを用いて刺激した。T細胞の増殖が著しくなったところでレトロウィルスを使用してhTERT特異的CD8陽性T細胞クローンのTCRα鎖、TCRβ鎖を導入した(タカラバイオとの共同研究)。T細胞の増殖が低下した時点で、CD4陽性分画を磁気分離によって除去してCD8陽性T細胞分画を分離した。これをhTERTペプチドで刺激すると高頻度のhTERT特異的TCR陽性細胞が得られることをHLA-A24テトラマー解析により確認した。このhTERT TCR導入CD8陽性T細胞の細胞傷害活性を評価したところ、hTERTペプチド負荷T2-A24細胞を傷害したが、HLA-A24陽性hTERT陽性肺癌細胞株PC9を傷害しなかった。 iNKT細胞は、その活性化を通して免疫賦活効果(アジュバント効果)を発揮することが知られている。そこで、これを用いて、hTERT特異的TCR導入CD8陽性T細胞の細胞傷害活性を増強できるかについて検討した。このために、健常人末梢血単核球をα-GalCerにて刺激することによってα-GalCer特異的ヒトVα24 iNKT細胞の増殖を誘導した。さらに高速自動セルソーターを使用して、Vα24+Vβ11+6B11+ヒトiNKT細胞を精製分離し、7-9日おきに複数回刺激することで株化した。これをCD3刺激した際の液性因子をPC9に加えて48時間培養したところ、hTERT TCR導入CD8T細胞はPC9を効率よく傷害した。現在、hTERT TCR導入CD8陽性T細胞の細胞傷害活性を増強させるメカニズムを明らかにするために、iNKT細胞が産生する液性因子に着目して解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
hTERT特異的TCRの導入は、タカラバイオとの共同研究により、順調に進めることができた。TCR導入CD8T細胞は全く肺癌細胞株を傷害しなかったが、iNKT細胞の培養上清を用いることで傷害活性を得られることができたため、おおむね順調と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
肺癌細胞株を傷害したメカニズムが明らかにされていない。これにはiNT細胞が産生する液性因子が重要な役割を果たしていると考えられる。マルチプレックスアッセイ、中和抗体を用いた阻害試験により責任因子を同定する予定である。また、iNKT細胞は樹状細胞との相互作用により、抗腫瘍効果を促進することが知られているため、これに関しても詳細な解析を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度末に発注した消耗品であるが支払い作業が遅れたため、翌年度支払いとなった。 すでに平成25年度末に納品が終了しており、支払いだけが翌年度になったため、使用は終了している。
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[Presentation] 多能性幹細胞由来の増殖性ミエロイド細胞を用いたがん免疫療法の開発2013
Author(s)
張エイ, 劉天懿, 千住覚, 廣澤成美, 辻村邦夫, 中西速夫, 薗田精昭, 坂本安, 西村泰治, 葛島清隆, 植村靖史
Organizer
第72回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
パシフィコ横浜(横浜市)
Year and Date
20131003-20131005
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[Presentation] TRAILを発現する多能性幹細胞由来ミエロイド細胞を用いた細胞医薬の開発2013
Author(s)
牧寛之, 植村靖史, 張エイ, 竹田和由, 劉天懿, 鈴木元晴, 都築忍, 岡村文子, 赤塚美樹, 西村泰治, 千住覚, 葛島清隆
Organizer
第72回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
パシフィコ横浜(横浜市)
Year and Date
20131003-20131005