2014 Fiscal Year Annual Research Report
免疫賦活効果を発揮する抗腫瘍エフェクター細胞の作製と肺癌免疫療法への応用
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25861253
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
張 エイ 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍免疫学部, リサーチレジデント (00643719)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | がん / 免疫 / 遺伝子治療 / 細胞療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん抗原特異的TCR遺伝子導入T細胞(TCR-T細胞)を患者に移入する免疫細胞療法はがんの治療に有望であるが、がん抗原特異的TCRの多くは抗原に対して低親和性であり、強力ながんの排除を誘導することができないことが問題となっている。この為にTCR遺伝子に変異を導入することで、抗原に対する親和性を高めたTCRを人為的に作製し、これを用いた臨床試験が実施されてきた。しかしながら、TCRの予期せぬ交叉反応によって正常自己組織の破壊が起こり、患者が死亡した例が報告されている。したがって、より安全で効果の高い応用法の開発が必要と考えられている。 インバリアントNKT(iNKT)細胞は、抗原提示細胞上のCD1d分子に提示されたα-GalCerを認識する特殊なT細胞サブセットである。 本研究課題は、iNKT細胞の免疫賦活効果を応用して、TCR-T細胞の抗腫瘍効果を促進する方法を検討した。iNKT細胞と樹状細胞(DC)の相互作用によって産生されるIFN-γは、がん細胞におけるHLA-I分子発現を上昇させ、TCR-T細胞による細胞傷害感受性を高めた。一方、iNKT細胞と樹状細胞(DC)の相互作用によって産生されるIL-2とIL-12p70は、TCR-T細胞におけるパーフォリン・グランザイムBの発現上昇を誘導して細胞傷害性を向上させた。また、免疫不全マウスを用いたがん移植モデルにおいて、TCR-T細胞と同時にiNKT細胞・α-GalCer負荷DCを投与すると、抗腫瘍効果が著しく改善することが明らかとなった。 本研究の成果は、TCR遺伝子療法の安全性と抗腫瘍効果を向上させる新たな治療法の開発に繋がると考えられる。
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[Journal Article] Generation of mouse pluripotent stem cell-derived proliferating myeloid cells as an unlimited source of functional antigen-presenting cells.2015
Author(s)
Zhang R., Liu T., Senju S., Haruta M., Hirosawa N., Suzuki M., Tatsumi M., Ueda N., Maki H., Nakatsuka R, Matsuoka Y., Sasaki Y., Tsuzuki S., Nakanishi H., Araki R., Abe M., Akatsuka Y., Sakamoto Y., Sonoda Y., Nishimura Y., Kuzushima K. and Uemura Y.
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Journal Title
Cancer Immunol. Res.
Volume: Feb11
Pages: 0117
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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