2013 Fiscal Year Research-status Report
悪性胸膜中皮腫の微小環境の特性を標的とした新規治療法の開発
Project/Area Number |
25861255
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
諸富 洋介 九州大学, 大学病院, その他 (60645365)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 悪性胸膜中皮腫 |
Research Abstract |
初年度は、悪性胸膜中皮腫の切除症例、生検症例のパラフィン包埋切片において免疫組織化学染色を中心に解析した。 (1) 悪性胸膜中皮腫におけるウロキナーゼレセプター(uPAR)の発現と予後解析 悪性胸膜中皮腫の臨床検体のパラフィン包埋切片において、uPARについて条件設定を行い(ポジティブコントロール;咽頭)、この条件下で免疫染色を行った。過去の報告に基づいて高発現群と低発現群へ分けたところ、高発現群が有意に予後不良であった。今後症例を増やす予定である。 (2) ウロキナーゼ(uPA), プラスミノーゲン活性化抑制因子(PAI-1)の免疫組織化学染色の条件設定 uPARのリガンドであるuPAとその阻害因子であるPAI-1について、免疫組織化学染色を行う予定である。本年はこれらの因子について免疫組織化学染色の条件設定を行った。今後は(1)の臨床検体と同じ症例において、免疫染色を行い予後などの臨床病理学的因子との比較検討を行う予定である。 (3) 悪性胸膜中皮腫細胞株を用いて、低酸素条件下においての培養条件や、flow cytometryによる細胞表面抗原 (uPAR, EGFRなど)検出の最適化を行った。今後は低酸素条件下においてのこれらの分子の発現変化を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
悪性胸膜中皮腫切除症例での免疫染色とin vitroにおける条件検討が終了し、実験系を確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
悪性胸膜中皮腫切除症例において、uPA, PAI-I, EGFRの発現と臨床病理学的因子を比較検討する。さらにヒト悪性胸膜中皮腫細胞株を用いて、低酸素条件下におけるシグナル伝達経路の相互作用について解析を行う。
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