2014 Fiscal Year Annual Research Report
グリオーマ幹細胞に特異的に発現する分子の探索と治療標的分子としての妥当性評価
Project/Area Number |
25861262
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
玉瀬 玲 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (10595458)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | グリオーマ幹細胞 / Notch / 分子標的療法 / 増殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】Tumor initiating cellで機能する分子としてNotchシグナルが抽出された。Notchシグナルは発生過程における幹細胞の維持制御を担っている。膠芽腫においてNotchシグナルの異常およびNotchシグナル阻害剤の抗腫瘍剤としての有効性がin vitroおよびin vivoで報告されている。Notchの細胞内活性化を担うγ-セクレターゼを阻害する分子標的薬剤MRK003 (MRK) はNotch阻害剤のなかでも最も強力である。本研究では、膠芽腫患者由来の幹細胞株を使用しMRKの抗腫瘍効果を評価した。 【【方法】膠芽腫患者由来の3種類の膠芽腫幹細胞株を使用した。Notch受容体の存在をRT-PCRで評価した。MRKによるNotchシグナル阻害およびその下流シグナルであるAKTシグナルをWesternblottingで解析した。次に細胞増殖能評価のためにMTT assay、幹細胞形質評価のためにSphere forming assayを行い、アポトーシス細胞の検出にAnnexinV-FITCを用いたフローサイトメトリーで評価した。 【結果】使用した膠芽腫幹細胞株はRT-PCRよりNotch1、Notch2の発現が認められた。MRKによってNotchシグナルは阻害された。しかしAKTシグナル阻害程度は2種類が強く阻害され、Ⅰ種は不変であった。AKTシグナルが強く阻害された膠芽腫幹細胞株は低濃度のMRKにより細胞増殖、Sphere形成能が高度に低下し、アポトーシスも促進されたがAKTシグナル阻害が不変であった膠芽腫幹細胞株に対する効果は乏しかった。 【結語】MRKは、Notchシグナルを阻害するが下流シグナルであるAKTシグナル阻害程度によって効果が異なることは示唆された。
|
Research Products
(4 results)