2013 Fiscal Year Research-status Report
グリオーマ幹細胞に対するNotch阻害剤の効果解析と前臨床試験
Project/Area Number |
25861263
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田中 慎吾 金沢大学, 大学病院, 医員 (40507084)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | Notchシグナル / 膠芽腫幹細胞 / MRK-003 |
Research Abstract |
提供していただいた膠芽腫患者から採取した9種類の膠芽腫幹細胞株を使用した。それぞれの膠芽腫幹細胞からのNotch受容体発現を定量的RT-PCRによる確認をした。細胞株をMRK-003(以下MRK)で処理しMTT assayにより細胞増殖能評価、Annexin Vを用いたフローサイトメトリーによりアポトーシス細胞の検出、sphere forming assayにより幹細胞形質評価を行った。また、膠芽腫の主軸シグナルかつNotchシグナル下流ともされるAktシグナルに着目し、MRK処理によるリン酸化型Aktレベルの変化をWestern blotで検証した。 結果は、RNAを抽出しすべての膠芽腫幹細胞株で種々のレベルで膠芽腫にかかわるとされるNotch1、Notch2の発現を認めた。MTT assayから算出した9種類の膠芽腫幹細胞株に対するMRK のIC50は、2μM以下の比較的感受性群 (n=5)、3μMから10μMの比較的低感受性群 (n=4) に分けられた。すべての細胞株でMRK濃度依存性にアポトーシス細胞が増加した。比較的感受性群はMRK<3μM でSphereがほぼ消失し、比較的低感受性群はMRK>8μMでSphere個数の高度低下が認められた。MRK処理後のリン酸化型Aktレベルは比較的感受性群で高度に低下し、比較的低感受性群ではほぼ不変であった。 以上の結果からMRKによる膠芽腫幹細胞の細胞増殖抑制、アポトーシス促進、幹細胞形質の喪失効果が観察された。また膠芽腫幹細胞株はMRKに対するリン酸化型Aktレベルの低下を指標として高感受性群と低感受性群に分けられると考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた全ての細胞ラインにおいてRT-PCRによるNotch受容体の発現、MRK-003に対する細胞増殖アッセイ、アポトーシスアッセイ、Sphere-formationアッセイ、MRK-003によるAktシグナルの変化を実施することができた。また再現性も確認しているため、おおむね予定通り進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
MRK-003処理によるリン酸化Aktの発現レベル低下によりMRK-003の薬剤感受性が異なることが示唆されたため、比較的感受性細胞株にAktの過剰発現させてMRK-003の効果がどのように変化するかを評価する実験も加える。
|
Research Products
(4 results)