2014 Fiscal Year Research-status Report
生体光イメージングを利用した膠芽腫幹細胞の機能解析と分化誘導療法の新規開発
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25861280
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
井上 明宏 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20593403)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 腫瘍幹細胞 / Oct-3/4 / HIF-1α / VEGF / 血管新生 / in vivo 光イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、血管新生阻害剤が悪性神経膠腫の腫瘍幹細胞性破綻に与える影響を解明することで革新的な膠芽腫治療の開発を行うことを目的としている。以下、H26年度の研究計画に沿って本年度の研究進渉状況および研究成果について記載する。まず、H25年度にヒト膠芽腫細胞株(T98G、U251)およびヒト悪性神経膠腫摘出組織由来の初代培養細胞株を用いて樹立したOct-3/4遺伝子を過剰発現させた細胞株(GB/Oct-3/4)を用いて、悪性神経膠腫の治療抵抗性に関わる因子(浸潤能、遊走能、血管新生能、薬剤耐性能)についての評価を行い、Oct-3/4が悪性神経膠腫の治療抵抗性に関与している事実を明らかにした。さらに、同細胞株より自己複製能、多分化能、腫瘍形成能を有するOct-3/4陽性の腫瘍幹細胞を単離し、NOD-SCID mouseを用いたin vivoにおける細胞動態を解析すると、Oct-3/4陽性細胞は腫瘍辺縁部分に局在して存在することが明らかになった。なお、同部位ではHIF-1αおよびVEGFなどの血管新生因子の発現性が高いことも明らかとなり、血管新生阻害を行うことが腫瘍幹細胞の幹細胞性破綻につながる可能性が示唆された。さらに、Oct-3/4のPI3K/AKT経路を介したHIF-1発現誘導機構への関与を検討致したところ、AKT阻害剤を使用することでHIF-1発現が低下することがわかり、Oct-3/4のHIF-1発現誘導機序にはAKTが関与している可能性が示唆された。そこで、今後はin vivo光イメージングを用いた細胞動態解析を詳細に行うと共に、Oct-3/4陽性腫瘍幹細胞の血管新生機構への関与を検討することを計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Oct-3/4陽性膠芽腫細胞株の樹立を行い、同細胞株の腫瘍形成能や血管新生因子の遺伝子発現、in vitro、in vivoにおける血管新生能の解析を行った。また、Oct-3/4が有する高い血管新生能にはHIF-1遺伝子が関与すること、HIF-1蛋白の発現誘導機序にはAKTシグナル伝達経路が関与していることを明らかにした。現在は、HIF-1遺伝子を恒常的に抑制した膠芽腫細胞株を樹立している過程であり、同細胞株を用いてOct-3/4およびHIF-1が血管新生に与える影響や同因子の腫瘍形成過程における関連性を検討する予定である。上記は、H26年度に計画していた事項であり、研究は概ね順調に経過していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
樹立したOct-3/4過剰発現膠芽腫細胞株、恒常的抑制細胞株を免疫不全マウス脳内に移植し、in vivo光イメージングを用いることでOct-3/4遺伝子の血管新生への関連性を時間的、空間的に解析する方針としている。また、その解析方法については、現在、詳細を検討中であり、技術的支援に関しても当大学のプロテオ医学研究センターに依頼済みである。
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Research Products
(5 results)