2013 Fiscal Year Research-status Report
NShcホスホチロシンアダプター分子のてんかん原生獲得・進展への関与
Project/Area Number |
25861283
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
馬場 史郎 長崎大学, 大学病院, 研究協力員 (30530430)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | N-Shc / TrkB / seizure / hippocampus / kainic acid |
Research Abstract |
1)C57BL6マウスに対し、TrkBインヒビターであるK252a 1μM (5μl) および対照(DMSO,5μl) 脳室内投与を行い、30分後にカイニン酸(KA) 30mg/kg 腹腔内投与後のてんかん発作をRacine seizure scale(1~6)を用いて評価した。K252a投与群ではDMSO投与群に比べ、有意にけいれん発作の重症度が低下した(K252a 1.6,DMSO 5.0;p=0.04)。2)C57BL6,N-Shc+/+,N-Shc-/-マウスに対し、KA腹腔内投与(30mg/㎏)後のけいれん発作も同様に評価した。N-Shc-/-マウスではN-Shc+/+,C57BL6マウスに比べ、有意にけいれん発作の重症度が低下した(C57BL6 5.21, N-Shc+/+ 5.50, N-Shc-/- 3.27; p<0.001)。発作継続時間もN-Shc-/-マウスで有意に短縮した(C57BL6 167min, N-Shc+/+ 172min, N-Shc-/- 95min; p<0.01)。KA投与後の死亡率もN-Shc-/-マウスで低かった(C57BL6 45.8%, N-Shc+/+ 61.8%, N-Shc-/- 18.2%)。3)C57BL6,N-Shc+/+,N-Shc-/-マウスに対し、KA腹腔内投与から1,7日目に灌流固定後、脳冠状断切片のNissl染色を行い、海馬CA3領域の神経細胞死を評価した。N-Shc-/-マウスでは、1,7日目ともにN-Shc+/+,C57BL6マウスに比べ、有意に神経細胞死が減少した(C57BL/6 day1 23.3%, day7 19.7% ; N-Shc +/+ day1 23.9%, day 7 14.5% ;N-Shc -/- day1 42.4%, day7 37.7%;p<0.001)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの実験でTrkB-NShc signaling pathwayはカイニン酸により誘発される epileptiform activityにおいて重要な役割を果たしていることがわかってきた。しかし交付申請書に記載したカイニン酸投与後の海馬電極による脳波解析の実験について、ノックアウトマウスの匹数の確保に時間がかかる点や脳波計測を行う実験では一度に多くのマウスを扱えないため、研究にやや遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度は、前年度進行が遅れたカイニン酸投与後の海馬電極による脳波解析の実験を行うとともに、当初の予定されているBDNF、TrkB、N-Shcやその他の下流シグナル分子の組織免疫染色やwestern blotを行う。これによりカイニン酸投与後のけいれん発作における分子機構を明らかにする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験における道具、試薬など既存のものを使用していたため、次年度使用額が生じた。 実験に用いる試薬や必要物品に使用する。
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