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2013 Fiscal Year Research-status Report

再発悪性脳腫瘍の病態診断における組織灌流を加味したアミノ酸PET画像の意義

Research Project

Project/Area Number 25861294
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionOsaka Medical College

Principal Investigator

松下 葉子  大阪医科大学, 医学部, 助教 (70512094)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
KeywordsPET / 悪性神経膠腫 / 画像診断 / 病態解析
Research Abstract

近年、治療技術の進歩により悪性神経膠腫に対する治療成績の向上が期待される。一方、新たな問題点として、治療後の経過中に、MRI画像上造影域の増大をきたした場合、腫瘍再発か放射線壊死などの治療後変化かの鑑別に苦慮することも多く、未だこれらの病態を確実に診断する手立てがない。我々はこれまでの研究から、必須アミノ酸フェニルアラニンを用いたPET(18F-BPA-PET)が、脳腫瘍治療後の病態解析において有用であることを示してきた。18F-BPA-PETは、腫瘍のアミノ酸代謝亢進の程度を反映し、腫瘍の活動性や治療効果の判定に有用である。しかしながら、得られた結果の解釈には明確な定義がなく、評価法の標準化が望まれる。18F-BPA-PET検査では腫瘍のアミノ酸代謝を反映するだけではなく、組織灌流の影響を考慮に入れるべきであり、血液灌流を補正するための解析法を考案したいと考えた。本研究は、18F-BPA-PETの適切な評価方法の確立を目指し、悪性神経膠腫治療後のより確実な病態診断に向け、大きな影響を与えるものである。
脳腫瘍治療後の病態解析における18F-BPA-PETの有用性を明らかにするために、平成25年度は、申請者所属施設における18F-BPA-PET施行既存例に対してMRIや灌流画像との比較検討を行った。心・大動脈を含めた全身撮影を実施した例に対し、正常脳(N)、大動脈(Ao)、頭蓋内静脈洞(SSS)を関心領域とした実測値から算出した比を用い、従来の測定法で得た病変(L)/正常脳(N)比との相関をみた。これまでの自験例の解析から、放射線壊死を含む腫瘍再発を認めない病変部に対し、正常組織の関心領域を静脈洞(血管)に設定することで、L/N比が1に近づくことを示した。また同時に新規症例の登録および臨床例の解析を行い、実験的考察をもとに適切な評価方法を検討した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新規症例の登録として、主に手術摘出を前提とする症例を選択し、脳腫瘍治療前・後の18F-BPA-PET検査について検討を行っているが、平成25年度中に12名を予定していたところ、実際には6名の登録となった。
当施設より18F-BPA-PETを依頼している近隣のPET施設において、本研究以外の臨床症例に対する検査との兼ね合いもあり、マシンタイムが制限されていたことも影響している。

Strategy for Future Research Activity

新規登録例に関しては、摘出腫瘍に対する組織学的検討を継続するとともに、平成25年度登録例を含め複数回の18F-BPA-PETの実施に重点を置く。平成26年度は、病態解析を要する例および経時的変化の評価が可能な初回診断時施行症例を重点的に蓄積し、平成25年度の結果とあわせ解析を行う。一回の検査のみで得られる単独の検査結果から、病態の解析を試みるとともに、複数回実施例での経時的変化の有用性を検討する。
平成25年度の基礎研究、本年度の臨床研究結果を総合的に判断し、18F-BPA-PETで高集積を示す病態の特徴に関し考察し、18F-BPA-PETに及ぼす組織灌流の影響を明確にするとともに、本手法による治療後評価・病態診断の有用性を検証する。
最終的に、18F-BPA-PET画像に灌流画像から得られた血流情報を加味することで、“真のアミノ酸代謝”画像とする解析手法を導き出す。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

新規症例の登録として、平成25年度中に12名を予定していたところ、実際には6名の登録となったため、検査費用として事前の見積額よりも使用額が少なかった。
当施設より18F-BPA-PETを依頼している近隣のPET施設において、本研究以外の臨床症例に対する検査との兼ね合いもあり、マシンタイムが制限されていたことも影響している。
平成26年度は、今年度不足分も含め、新規症例登録を行う見込みである。新規登録例に関しては、主に手術摘出を前提とする症例を選択し、摘出腫瘍に対する組織学的検討を継続するとともに、今年度登録例を含め複数回の18F-BPA-PETの実施に重点を置く。平成26年度は、病態解析を要する例および経時的変化の評価が可能な初回診断時施行症例を重点的に蓄積し、平成25年度の結果とあわせ解析を行う。一回の検査のみで得られる単独の検査結果から、病態の解析を試みるとともに、複数回実施例での経時的変化の有用性を検討する。
また、平成25年度に引き続き担腫瘍動物モデルを用いた実験を行う。具体的には、ラット/マウス腫瘍モデルに対し放射線治療を行い、治療後のF-BPAの集積および血管構築の状況に関し、免疫組織学的特徴との相関を検討する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2014 2013

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 悪性脳腫瘍既治療例に対するBPA-PETを用いた病態診断と治療への貢献2014

    • Author(s)
      松下 葉子
    • Organizer
      第37回 日本脳神経CI学会
    • Place of Presentation
      大宮ソニックシティ
    • Year and Date
      20140228-20140301
  • [Presentation] 脳腫瘍における18F-BPA PET画像の標準化を目指した解釈2013

    • Author(s)
      松下 葉子
    • Organizer
      第51回 日本癌治療学会学術集会
    • Place of Presentation
      京都国際会館
    • Year and Date
      20131024-20131026
  • [Presentation] F-BPA-PETを用いた再発悪性脳腫瘍の確実な診断2013

    • Author(s)
      松下 葉子
    • Organizer
      第14回 日本分子脳神経外科学会
    • Place of Presentation
      パシフィコ横浜
    • Year and Date
      20131018-20131019

URL: 

Published: 2015-05-28  

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