2013 Fiscal Year Research-status Report
滑膜組織と滑膜由来間葉系幹細胞の至適保存条件の検討
Project/Area Number |
25861299
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
堀江 雅史 東京医科歯科大学, 再生医療研究センター, 助教 (90622647)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 滑膜幹細胞 |
Research Abstract |
間葉系幹細胞は、成体のさまざまな間葉組織から採取可能であるが、なかでも滑膜由来の間葉系幹細胞(滑膜幹細胞)は、自己血清を用いた培養での増殖能が高く、軟骨分化能が高いことから、軟骨再生や半月板再生に対する有用な細胞源となる。当施設では軟骨損傷に対して自家滑膜幹細胞を軟骨欠損部に移植する新たな治療法を開発し、良好な成績を得ているが、細胞を分離・培養するための施設(細胞治療センター)は限られており、本治療方法をより広く普及させるためには、滑膜組織や分離した幹細胞を適切に保存し輸送することが必須となる。この細胞移植治療を普及させるためには病院で採取した滑膜を細胞培養施設に搬送し、滑膜幹細胞を病院に再度搬送するようなビジネスモデルが必要であることから、採取された滑膜組織および滑膜間葉系幹細胞の保存・移送条件の最適化が必要であると考え、検討を行った。 人工膝関節置換術の際に切除された滑膜組織を検体材料とし、滑膜組織を保存する至適条件とその時間的限界を明らかにするため、候補となる各種溶液(乳酸リンゲル液、HBSS、PBS、ヒアルロン酸など)に一定時間保存し検討を行った。滑膜組織をHBSSで保存する実験では、24時間後には線維芽細胞内に空砲が形成され、48時間後ではその空砲空胞変性が進行し、滑膜組織は保存が難しいことが判明した。さらに、各種保存液の検討をおこなったところ、滑膜組織を12時間以上保存することは容易ではないことが明らかとなった。種々の検討の結果、ReagentAを添加することにより滑膜組織の保存が可能になることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
滑膜組織をHBSSで保存する実験では、24時間後には線維芽細胞内に空砲が形成され、48時間後ではその空砲空胞変性が進行し、滑膜組織は保存が難しいことが判明した。さらに、各種保存液の検討をおこなったところ、滑膜組織を12時間以上保存することは容易ではないことが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、組織保存液、細胞保存液におけるReagent Aの最適濃度を明らかにするとともに、分化・増殖能への影響の検討、ならびにウサギを用いたin vivoでの軟骨再生への影響を検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は実験に必要な細胞培養のための物品等は実験室に既存のものを使用できたため。また実験に必要なサンプルそのものの入手は手術ののものが得られたため。 今後、実験の解析のための物品を購入する必要がある。また実験の成果が得られたところで学会発表の予定もあり学会参加脾・旅費等が必要になる。
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Research Products
(5 results)