2015 Fiscal Year Annual Research Report
抗癌剤耐性や肺転移形成と細胞周期との関連―Fucci導入肉腫細胞を用いた解析
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25861301
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
木村 浩明 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50608693)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 細胞周期 / 骨肉腫 / 蛍光蛋白 / 紫外線 / リアルタイムイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度、平成26年度は、細胞周期をリアルタイムで観察できる蛍光タンパクFucciを導入したヒト骨肉腫細胞株143Bにin vitroでシスプラチン・ドキソルビシンを作用させリアルタイムイメージングを行った。その結果、細胞周期による抗がん剤の感受性の違い、抗がん剤の種類によるアポトーシスの起こり方の違いや細胞周期停止の様子を明らかにできた。これらの結果を踏まえ平成27年度はin vivoでの腫瘍全体の細胞周期の動向を観察しながら、骨肉腫に対するより効果的なシスプラチン+アドリアマイシンの投与法の探索を行う予定であった。しかし、動物実験が順調に遂行できなかったため、当初の計画を変更しin vitroでの研究を視点を変えて継続することとした。 これまで我々は抗がん剤だけでなく紫外線とくにUVBのガン治療への応用を探索してきた。最終的には腫瘍切除後の再発予防のため、手術野のminimum residual cancer (MRC)を治療するためのmodalityとしてUVBを応用できればと考えている。平成27年度はFucciを導入した骨肉腫細胞にUVBを照射して、細胞周期をリアルタイムイメージングし、UVBが骨肉腫細胞の細胞周期やアポトーシスに与える影響について観察を行った。方法としてはFucci導入143B骨肉腫細胞にin vitroでUVBを照射し、30分毎に72時間の連続観察を行った。その結果、UVB照射はほとんどの腫瘍細胞でS/G2/M期での細胞周期停止をもたらすことが分かった。一部の細胞だけがS/G2/M期での停止を逃れmitosisに移行し、その結果DNA修復を行えずにapoptosisに陥った。またG0/G1期の細胞はS/G2/M期の細胞に比べてUVBに対する耐性を示すことを証明した。
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[Journal Article] Heterogeneous cell-cycle behavior in response to UVB irradiation by a population of single cancer cells visualized by time-lapse FUCCI imaging.2015
Author(s)
Miwa S, Yano S, Kimura H, Yamamoto M, Toneri M, Murakami T, Hayashi K, Yamamoto N, Fujiwara T, Tsuchiya H, Hoffman RM.
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Journal Title
Cell Cycle
Volume: 14
Pages: 1932-1937
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research