2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25861305
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
安藤 圭 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (40566973)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / 足場 / 神経栄養因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の研究では損傷神経を再生する試みが幾つかなされている。ES、IPSを含む神経幹細胞、骨髄幹細胞、シュワン細胞、歯髄幹細胞移植の有効性が明らかとなり、脊髄損傷後の再生医療を中心とした期待が高まっている。しかし移植の損傷部位への有効性を高めるためには、移植細胞の分化の方向性を誘導する神経栄養因子および移植細胞の足場(scaffold)の併用が必須とされる。我々は移植細胞の足場(scaffold)と予測される自己集合体ペプチドゲル(PanaceaGel)の有効性を明らかにした。 in vitro:神経細胞に対する毒性はないどころか神経軸索突起が有意に伸長していた。RNAレベルではGDNF、BDNF、NGFといった神経栄養因子、そして炎症系サイトカインの発現に有意な変化が認められた。 in vivo:脊髄損傷モデルラットにおいてPanaceaGel投与により、神経成長因子の発現量が増加し、神経再生の促進が投与後速やかに開始されたと考えられた。また、MMP-9、3の発現量が投与7日後に最も高い値を示し、経時的に低い値となった。そのため、神経再生開始後は、これらの因子による炎症が抑制されると考えられた。組織染色では損傷部周囲に明らかな細胞の進入、そしてこれに後押しされるように神経軸索の進入が確認された。これは主に、一度損傷が生じても、細胞が発育するに快適な環境が存在することで得られた結果と判断できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在のところ、申請書記載に準じて順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今までの研究結果より、有意差の認められたメカニズム(とくにin vivoにおけるペプチドゲルの抗炎症メカニズムについて)を追究するために学会発表などで同一分野で研究している研究者の意見も求めていく予定である。
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Causes of Carryover |
in vivoにおけるペプチドゲルの抗炎症メカニズムについて追究するため、同一分野において研究を行っている研究者と意見交換・検討を行う予定が4月、5月にずれ込んだため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新規自己集合体ペプチドゲルの効果・役割・その効果について、広く研究者に周知したく、学会においての研究成果発表、並びに同一分野研究者との意見交換を行うための旅費に充てたい。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] 脊髄再生の足場となる新規自己集合体ペプチドの効果 グリア性瘢痕は減少し、軸索伸長を許容する2014
Author(s)
安藤 圭, 今釜 史郎, 伊藤 全哉, 小林 和克, 鵜飼 淳一, 新城 龍一, 八木 秀樹, 飛田 哲朗, 伊藤 研悠, 石川 喜資, 都島 幹人, 松本 明之, 西田 佳弘, 石黒 直樹
Organizer
第29回日本整形外科学会基礎学術集会
Place of Presentation
城山観光ホテル(鹿児島県鹿児島市)
Year and Date
2014-10-09 – 2014-10-10