2013 Fiscal Year Annual Research Report
筋委縮性側索硬化症[ALS]におけるCD44と病態進行の関連
Project/Area Number |
25861308
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 智宏 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (40635570)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 神経変性疾患 / 細胞膜表面タンパク |
Research Abstract |
生後6週・12週・18週(発症時)・24週(end stage)のALSモデルマウス(SOD1)と野生型マウス(WT)脊髄からタンパク抽出液を作製し,CD44の発現をWestern blottingで比較した。WTは,ごく少量のCD44発現があるのみで,週齢ごとに変化はなく一定であったが,SOD1では,発症前の時点からWTと比べ CD44の増加を認め,その差は病期が進むほど顕著であった。さらに24週動物の脊髄からmRNAを抽出し,real-time PCRによりmRNAレベルでもCD44を比較したところ,SOD1で有意にCD44が増加していた。 続いて生体内においてCD44を発現する細胞を特定するために,生後24週マウス脊髄切片を免疫組織染色。CD44発現はWTでは ほとんど認められなかったが,SOD1では顕著に増加していた。グリア系細胞マーカーとの二重染色結果から,CD44を発現している細胞は一部がmicroglia,大部分がastrocyteであると考えられた。 生後1日目のWTの脳より混合グリア培養系を樹立。培養開始から3週間後に,microgliaおよびastrocyteを単離した。microgliaはLPS + IFN-γで72時間刺激することで活性化をおこない,astrocyteはIFN-γ+ TNF-α,bFGFを用いて72時間刺激し活性化をおこなった。刺激によるCD44の発現量を調べるため,いずれも細胞と培養上清を個別に回収し,CD44の発現量をWestern blottingで比較したところ,細胞については,controlではCD44の発現はほとんどなかったが,活性化によりCD44の顕著な増加がみられた。上清についてはcontrolも刺激群もshedding型CD44発現は見られなかったことから,発現上昇したCD44は膜貫通型であると考えられた。
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