2013 Fiscal Year Research-status Report
TNF-αを分子標的とした神経修復型DrugDeliverySystemの開発
Project/Area Number |
25861309
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩月 克之 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (90635567)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | CMC-PE / TNFα / nerve / pain |
Research Abstract |
本研究では独自に開発した神経修復促進剤であるCMC-PE ゲルに炎症性サイトカインを抑制する薬剤を結合し,Drug Delivery Systemとして使用することで神経組織の修復を促進しつつ神経障害性疼痛の発生を抑制できる新規治療材料を開発することを目的にしている。シリコンチューブでラットの坐骨神経を3か月間絞扼し、シリコンチューブ除去後1、2及び3か月時点での、CMC-PEゲルの効果を検証した。内径1.3mm,長さ1cmのシリコンチューブを右坐骨神経に巻きつけ、3か月後にシリコンチューブの除去を行い、CMC-PEゲルを使用しないControlL群、使用するCMC-PE群とした。神経機能改善効果の組織学的評価としてエポン包埋標本のトルイジンブルー染色を行った。絞扼性神経障害の影響を受けやすい神経の外側、神経上膜に接する直径100μmの円の内側に含まれる有髄線維の軸索数及び軸索面積をImegeJを用いて定量的に評価した。 一般に絞扼性神経障害を受けた際に神経細胞は辺縁より小型化、脱髄を起こすが、ゲル使用により神経線維の面積は小型化からの回復を示した。2か月時での面積はControl群と比較し有意差をもって大きかった。3か月時点ではControl群も改善を認めてきておりCMC-PE群との有意差を認めなくなっていた。軸索数は1か月時をのぞき2群間に有意差をみとめなかった。軸索面積は術後1か月時点では約2倍の差を認め、有意差は2か月まで維持されていた。3か月時点ではControl群も改善しており有意差を認めなくなっていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CMC-PEゲルを使ってTNFαを阻害した後の分子生物学的な解析がまだ行われていないため。 急性神経損傷モデルでの実験系が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
CMC-PE ゲルを使いTNFαを抑制した組織の解析を行う。モデルは絞扼性神経障害のみならず急性神経損傷モデルも用いる。末梢神経を採取し、組織学的な検証を始め、リアルタイムPCRによる遺伝子発現検査、及びELISAによる蛋白発現解析を通じ、分子生物学的手法を通じ効果を検証する。 さらに最大効率となる濃度設定の検証を行い、より低用量で副作用の少ない新しい概念のDrug Delivery Systemを確立する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ラットの動物実験が飼育スペースの関係で多数の手術を一度にできなかったため、動物実験のスケジュールがやや遅れている。 ラットの購入および試薬の購入、学会への参加費として使用予定である。
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