2015 Fiscal Year Annual Research Report
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25861320
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
瀧川 朋亨 岡山大学, 大学病院, 助教 (80613166)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脊柱側弯症 |
Outline of Annual Research Achievements |
脊柱側弯症は脊柱が側方(左右方向)に弯曲し、ねじれが加わった状態と定義される。加療を要するとされる20度以上の側弯症発生率は女子中学生の0.5%程度とされ、決して珍しい疾患ではない。側弯症の約80%はその発症原因が明らかでない特発性であり、多くは身体の成長に一致して脊柱の弯曲も進行するとされている。弯曲が50度を超えるような高度の側弯では成長終了後も側弯が進行するため手術加療が必要となるため、早期発見と早期治療が有効とされている。 従来の体表変形の測定法の1つである体幹前屈位での肋骨隆起の測定では、体の柔軟性や椎体回旋の影響により、再現性に問題があった。本研究ではボディラインスキャナーを用いて、体表面の3次元的な解析を行うことで、立位条件でより詳細に定量的解析が可能であることを示した。 脊柱側弯症の体表変形は肋骨隆起、肩バランス、ウエストラインなどでの評価が多い。本研究ではアンケート調査を通じ、自己イメージへの影響が最も大きい体表変形が、これら体幹背面や側面の変形ではなく、乳房の非対称であることを示した。 脊柱側弯症における手術以外の有効な治療法は装具療法であるが、その治療成績は必ずしも満足いくものばかりではない。本研究では、装具療法の治療成績悪化因子として従来知られている因子以外にも、装具装着状態における椎体回旋の矯正不良が上げられることを示した。つまり脊柱側弯症の装具療法においては冠状面における矯正だけでなく、水平面における矯正、つまり椎体回旋の矯正も重要である。
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