2015 Fiscal Year Research-status Report
関節軟骨変性過程におけるC/EBPbetaを中心とした遺伝子発現解析
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25861328
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林田 光正 九州大学, 大学病院, 助教 (40644787)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 軟骨代謝 / 転写因子 / 靱帯骨化 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、先行研究において、関節軟骨変性疾患(RAとOA)における関節軟骨細胞で転写因子CCAAT/enhancer-binding protein-beta (以下C/EBP beta)が、軟骨基質分解酵素であるMMP-13の発現を強力に調節している事を解明した。RAとOAは病態は異なるが、軟骨変性過程においては共通するpathwayが存在しC/EBP betaはその中心的調節因子であると結論づけた。さらにC/EBP betaは骨化の過程に関与していると報告されている。骨化で、臨床上問題となるのは脊椎の麻痺症状の出現に関与する、黄色靱帯や後縦靱帯の骨化と考えられる。軟骨の代謝とともに、靱帯の骨化におけるC/EBP betaの役割を解明する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度にLipofection, Electroporation, Adeno virusによるgene transportationを軟骨細胞に行った。Lipofection、Electroporationでは導入効率、細胞毒性から実験が困難だった。さらにC/EBP betaのdominant negative formを導入したAdeno virusを作成し、細胞に導入した。導入の条件を厳密に設定したが、C/EBP betaによるMMP-3,13の抑制が出来なかった。このため、CEBP betaの抑制による、軟骨変性の抑制は、非常に困難であろうと思われた。現在は靱帯の骨化の調節因子としてのC/EBPbetaの役割を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
CEBP betaの抑制による軟骨変性の抑制は非常に困難であろうと予想された。しかし臨床的に意味のある研究とするため、今後も細胞への導入実験を続け、条件の検討を行って、軟骨変性過程の抑制を行う予定である。同時に、靱帯骨化調節因子としてのC/EBPbetaの役割を、免疫染色等で検討する予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画の、一部変更にともない、実験内容を変更したこと。既存の実験材料を使用し、他の研究者から譲渡された実験試料を使用したため。また臨床との橋渡しを行うべく、臨床の問題を洗い出しているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後も既存の実験材料を使用し、他の研究者から譲渡された実験試料を使用し、さらに免疫染色を行っていく方針。また臨床との橋渡しを行うべく、臨床の問題を洗いだすべく、その他研究者と密に連絡を取り合う方針。
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[Presentation] 胸椎後縦靱帯骨化症に対する手術例の検討 福岡脊椎外科グループによる多施設後ろ向き研究2015
Author(s)
林田 光正, 播广谷 勝三, 前田 健, 河野 修, 大田 秀樹, 白澤 建藏, 土屋 邦喜, 寺田 和正, 加治 浩三, 有薗 剛, 齊藤 太一, 藤原 将巳, 土井 俊郎, 岩本 幸英
Organizer
第44回 福岡県整形外科医会学術集会研修会
Place of Presentation
福岡
Year and Date
2015-06-06
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[Presentation] 胸椎後縦靱帯骨化症に対する手術例の検討 福岡脊椎外科グループによる多施設後ろ向き研究2015
Author(s)
林田 光正, 小早川 和, 播广谷 勝三, 前田 健, 河野 修, 大田 秀樹, 白澤 建藏, 土屋 邦喜, 寺田 和正, 加治 浩三, 有薗 剛, 齊藤 太一, 藤原 将巳, 土井 俊郎, 岩本 幸英
Organizer
第88回 日本整形外科学会学術集会
Place of Presentation
神戸
Year and Date
2015-05-21 – 2015-05-24