2014 Fiscal Year Annual Research Report
エンドソーム機能制御を用いた大腿骨頭壊死症の発生機序解明
Project/Area Number |
25861330
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
岡崎 俊一郎 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70404647)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 関節病学 |
Outline of Annual Research Achievements |
特発性大腿骨頭壊死症に対する有効な予防法は確立されておらず、その確立は急務である。以下のように特発性大腿骨頭壊死症に対する予防実験をおこなった。 ①ステロイド性大腿骨頭壊死症動物モデルに対する予防実験 我々が確立したステロイド性大腿骨頭壊死症動物モデルを用いて予防実験をおこなった。TLRのリガンド投与後24時間にメチルプレドニゾロンおよびランソプラゾールを投与した結果、ラットにおけるステロイド性大腿骨頭壊死症の発生を有意に予防することが可能であった。タンパク解析ではKinase inhibitorであるBAY11-7082でおこなった研究と同様に、転写制御因子であるIRF7およびNF-kBの活性がランソプラゾールの同時投与によって有意に低下していることを確認した。安全性評価を目的とした血液生化学検査では、ランソプラゾール投与による有害事象の発生は無く、本学付属病院のIRBの承認を得て自主臨床試験を実施した。 ②アルコール性大腿骨頭壊死症動物モデルに対する予防実験 ステロイド性大腿骨頭壊死症動物モデル同様に我々が確立したアルコール性大腿骨頭壊死症動物モデルを用いて予防実験をおこなった。5%エタノール含有液体飼料にランソプラゾールを混入した結果、ラットにおけるアルコール性大腿骨頭壊死症の発生を有意に予防することが可能であった。上記①②の内容にて論文投稿準備中である。 また、従来から特発性大腿骨頭壊死症は虚血性壊死であると考えられているが、大腿骨頭壊死症の発生前に栄養血管の途絶を示した科学的根拠は認められない。そのため、我々が確立したステロイド性大腿骨頭壊死症動物モデルを用い、屠殺時に大動脈より墨汁を潅流し大腿骨頭における血流評価をおこなった。その結果、大腿骨頭壊死発生前および発生後の標本においてもsuperior retinacular arteryの途絶は認めなかった。論文投稿準備中である。
|