2013 Fiscal Year Research-status Report
エムア-ルアイを用いた肩関節動態解析による腱板機能評価法の確立に関する研究
Project/Area Number |
25861340
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
見目 智紀 北里大学, 医学部, 助教 (00533324)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 画像評価 / MRI / 肩関節機能 / リハビリテーション |
Research Abstract |
本研究の目的はMRIによる動態撮像(Cine-MRI)によって客観的な腱板機能評価法を確立することである。まず健常肩の動態把握目的に自動運動及び他動運動の肩関節内外旋動作をCine-MRIで撮像し、自動運動時と他動運動時の腱板筋の形態変化を比較した。対象は健常成人22名44肩。MRIはSigna1.5T、撮像はTrue-FISP法を用いた。撮像断面は肩甲下筋小結節付着部近位約1/2の軸位画像、撮像動作は20秒間の肩関節下垂位内外旋自動運動及び他動運動とした。評価は肩甲下筋と棘下筋の動作中の筋形態変化及び各筋の中間位に対する最大内外旋位の断面積比とした。統計学的検討はMann-WhitneyのU検定を実施、危険率0.05未満を有意差ありとした。結果、他動運動においても自動運動と同様の筋形態変化が得られていた。自動、他動運動ともに筋断面積比は遠心性収縮時の方が求心性収縮時よりも有意に大きかったが、両運動間に有意差は無かった。そのため他動運動においても自動運動と同様に関節適合性を保つための協調運動が行われていると考えられた。 次に腱板断裂の無い肩関節痛患者において同じ動作を自動運動のみ撮像し、健常者と比較した。患者群は45名46肩。健常群は20名40肩。評価は撮像動作中の関節適合性及び肩甲骨窩に対する上腕骨頭の内外旋角度とした。結果、患者群の8肩が関節適合性不良。患者群は内旋角(p<0.05)、外旋角(p<0.0001)、回旋可動域(p<0.0001)が健常群と比べ有意に制限されていた。また、明らかな内旋制限が4名、外旋制限が12名に認められた。以上より肩関節痛患者の腱板機能障害には正常な回旋が可能なもの、外旋制限、内旋制限の3パターン存在する事がわかった。このパターンの把握はリハビリテーションの方針を検討する上で有用であり、Cine-MRIによる腱板機能評価は有効と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常例における肩関節の自動運動と他動運動の比較、患者群における肩関節の回旋障害のパターンの同定ができたため概ね順調と考えています。
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Strategy for Future Research Activity |
表面筋電図による撮像動作の筋出力の評価を行う事、肩関節痛患者の治療前後の回旋角度、筋形態の変化、萎縮の進行等を比較する事で撮像動作による評価の有用性を検討する事が今後の研究の推進方策です。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
諸費用の計上において計画通りです。 H26年度の実験道具(表面筋電図)の消耗品、英語論文校正費用に用いる予定
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