2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25861360
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
池田 彩 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (00645517)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 周術期管理 / 気道管理 |
Research Abstract |
顎顔面形態異常を合併する患者の周術期気道管理方法を確立することが本研究の目的である。当院形成外科にて予定手術が行われるすべての顎顔面形態異常合併患者を対象として、全身麻酔導入時の気道管理難易度を評価しそれを予測する方法を確立する〈研究1〉、全身麻酔導入時の筋弛緩薬使用の有用性を検討する〈研究2〉、抜管の安全性を予測する〈研究3〉を予定した。平成25年度は、〈研究1〉〈研究2〉において、それぞれ全身麻酔導入時、抜管後の気道管理困難の危険因子と想定している睡眠時呼吸障害の重症度を評価するsleep studyを対象患者で行い、データの蓄積を開始することができた。さらに、特に〈研究2〉に必要不可欠である全身麻酔導入時の口鼻気道分離換気量測定システムの構築及びデータ測定や管理方法の検討を行い、平成26年度からの研究開始の準備を整えることができた。研究対象の年齢層が乳幼児から10才代まで幅広いため、本研究の対象者の体格のバリエーションに各々適応するサイズのフェイスマスク等の気道確保物品のデザイン及び作成を行った。まだ、学会などで公表できる研究結果を得ていないが、本研究の先行研究である気道異常のない成人での研究結果を第33回日本臨床麻酔学会や第4回Nippon Neuromuscular Meetingで発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
〈研究1〉〈研究3〉では、症例蓄積を開始することができたが、症例数が想定したほど多くない。特に下顎の発育異常を伴う患者が少ないため、上顎異常患者と下顎以上患者を比較することが困難になりつつある。引き続き、対象症例の再検討及び症例数の増加に努める。〈研究2〉では、対象となる患者年齢層が先行研究である成人とは大きく異なり、かつ多様な顔面奇形を有する患者が多いため、確実に口気道と鼻気道を分離できるマスクの作成に難渋した。様々なデザインの口鼻分離マスクを試作し、研究準備完了に留まっているが、適切なマスクが完成すれば研究開始ができるように換気量や気道内圧などの測定システムはすでに構築されている。
|
Strategy for Future Research Activity |
小児を含む顎顔面形態異常を有する患者の術前評価から、これらの患者群では閉塞性睡眠時無呼吸症の合併が多く、また重症度にも個人差が大きい傾向であることが得られた。これに関して、術前の解剖学的評価との関連性について検討を進める。〈研究2〉における適切なマスク作成困難は本研究申請時にも想定されていた。当初の予定通り、未完成のマスクで研究を開始するよりは、口気道と鼻気道を確実に分離できるマスクを用いて着実に研究を進めることとする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に購入予定であった非侵襲的人工呼吸器や、データ管理に使用するコンピュータは本研究に最適の機種を選定することが出来ず、購入しなかったため。 平成25年度に引き続き、上記物品の機種の選定を行い、購入予定。
|