2014 Fiscal Year Research-status Report
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25861384
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
岩崎 創史 札幌医科大学, 医学部, 助教 (90608910)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 吸入麻酔薬 / 静脈麻酔薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
喘息モルモットを作成して, 喘息発作時のレミフェンタニル同時投与下の吸入麻酔薬セボフルラン, プロポフォール・ミダゾラムの影響を in vitro および in vivo で観察した。①喘息モルモットの作成と発作の誘発:セボフルラン麻酔下で,雄の Hartley モルモット(250g)を使用しオバラミン(2×0.5mg/ml)を1週の間隔をあけて腹腔内に投与し,2週間後にオバラミンを吸入(10ml×1mg/ml,10 分) し発作を誘発(ほぼ100%)しえた。②張力の測定:モルモットから気管・肺組織を摘出後,顕微鏡下で愛護的に気管組織を単離する。気管リング標本に張力トランスデューサを取り付け,37℃の恒温槽内で張力を測定した。ムスカリン受容体刺激薬カルバコールにより収縮を得た。それぞれの麻酔薬における喘息モデルの気道弛緩効果はセボルフランで高くプロポフォールとミダゾラムで同じであった。予備実験の結果と同様に上記濃度のレミフェンタニルの添加でも、この弛緩効果の修飾はみられなかった。③気道抵抗の測定:気管切開を行いカテーテルを挿入・仰臥位とし, 人工呼吸を行った。胸腔内圧を測定するため, 食道内にカテーテルを挿入した。気道内圧と胸腔内圧を経時的に測定することにより, 気道抵抗と全肺コンプライアンスを同時測定した。内頸静脈にカテーテルを挿入し,不動化し抵抗とコンプライアンスが一定した後, レミフェンタニル投与有無の条件下で吸入麻酔薬セボフルラン,プロポフォールまたはミダゾラムを投与しながら, アセチルコリン(10-8から 10−5M)を漸増的に投与し,相乗的な気道収縮抑制効果を観察した。オピオイドの併用で、それぞれの麻酔薬の弛緩効果は増強されたが特にプロポフォールおよびミダゾラムとの組み合わせで弛緩効果の増強が大きかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
レミフェンタニル投与有無に喘息モデルにおける、セボフルラン、プロポフォール、ミダゾラムの直接的・間接的気道収縮抑制効果および抗炎症反応を検討できたが、安定したCOPDモデルの作成が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
上記まで得られた研究を発表し、同じくCOPDモデルの作成率を高める。研究実施計画書のごとく、レミマゾラムによる検討と、至適静脈内麻酔法の検討を行う。
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Causes of Carryover |
海外での学会発表を予定していたが、公務で出席できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究を遂行するため、米国麻酔科学会視察のために使用する計画である。
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