2013 Fiscal Year Research-status Report
母集団PK/PD解析に共変量として遺伝子多型を加味した小児用TCIの新規開発
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25861385
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
名和 由布子 札幌医科大学, 医学部, 助教 (90586794)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プロポフォール / 母集団薬物動態学 / 目標制御注入法 / 小児麻酔 |
Research Abstract |
プロポフォールは全身麻酔において頻用される静脈麻酔薬である。その特徴として、覚醒の質が良好であること、術後の悪心嘔吐が少ないことなどが挙げられ、これらの利点は小児麻酔で問題となる覚醒時興奮や術後嘔吐の減少に寄与することが期待されている。しかしながら、本邦において小児麻酔におけるプロポフォールの使用頻度は決して高いとは言えない現状がある。その理由として、プロポフォールは薬物動態の個人差が大きいことから目標制御型投与法(TCI)が必要となるが、本邦では小児においてはTCI使用ができないことが挙げられる。そこで我々は、小耳症手術を受ける学童期小児を対象としてプロポフォール麻酔を行い、薬物血中濃度を測定し、そのデータを元に日本人学童期小児における適切なTCIモデル構築を想起した。当院における小耳症手術患者は年齢や背景が均一であり、良質なデータを得ることが期待できる。初年度の実績としては、数名の患者にプロポフォールによる全身麻酔を行い、1名あたり15-20の血液サンプルを収集している。また、プロポフォールの血中濃度測定のため、簡易型プロポフォール血中濃度測定器および液体ガスクロマトグラフィーによる測定系を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
サンプルの収集がやや遅れている。本研究は小児を対象としており、同意書取得には保護者の同意が必要であるが、本来であれば不要である採血ラインを挿入するため、同意を得ることが難しい場合が多いためである。ただし、同意が得られた症例に関しては、1症例あたり15-20のサンプルを採取できている。
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Strategy for Future Research Activity |
サンプル収集を進める。また、母集団薬物動態解析ソフトウエアであるNONMEMを稼働できるよう環境を整える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画よりもサンプル収集が進まず、血中濃度解析の実施ができなかったため。 引き続きサンプル収集を進め、薬物血中濃度解析の試薬等に使用する予定である。
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