2015 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素誘導性因子HIFの活性化による肺胞上皮細胞保護効果の検討
Project/Area Number |
25861392
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高木 俊介 横浜市立大学, 医学部, 講師 (90644823)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 急性呼吸促迫症候群 / 低酸素誘導性因子 / プロリルヒドロキシラーゼ阻害 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続きマウス肺胞上皮細胞株MLE12に対するFasL誘導性アポトーシスの実験系を用いて,プロリルヒドロキシラーゼ阻害剤DMOGによる抗アポトーシス効果のメカニズムについてさらに研究を進めた.また,当該年度の途中で論文投稿を行い,Reviewerの指摘をうけてさらに実験を行った HIF-1経路への依存性を検討するためにHIF-1のDNA結合阻害剤であるエキノマイシン投与を予め行った上で,DMOGによるFasL誘導性アポトーシスに対する作用を検討した所,DMOGの抗アポトーシス作用が消失した.また,siRNAを用いてHIF-1αをノックダウンしたところ同様にDMOGの抗アポトーシス作用が消失することが確かめられた.これらから,DMOGによる抗アポトーシス効果はHIF-1依存性であることが明らかになった. また,PHD阻害,HIF-1経路による抗アポトーシス作用のメカニズムの一つとして,デスレセプターFasの挙動を詳細に検討した.PHD阻害により,FasのmRNA発現量が低下し,また膜分画のタンパク量が低下していた.さらにHIF-1αノックダウンによってFasのmRNA発現量が増加,タンパク量も増加することを確かめた.これらの結果から,FasがHIF-1αによって転写レベルにおいて負に制御されていることが明らかになった. さらに,PHD阻害薬DMOGがFasL誘導性肺傷害モデルマウスにおいて抗炎症作用を示すことも明らかにした.
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