2014 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子一塩基多型解析から考証する妊娠期薬剤性冠動脈攣縮作用の解明
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25861395
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
谷奥 匡 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (50554656)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | エルゴメトリン / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
薬剤に対する患者ごとの感受性の違いを科学的に評価し、その「個体差」に応じて麻酔薬剤の選択が可能になれば、より安全性の高い麻酔を実現することができる。子宮筋の弛緩出血を防ぐ目的で頻用される子宮収縮薬メチルエルゴメトリンマレイン酸塩は、冠動脈攣縮の副作用から一過性の心筋虚血を引き起こすことがあるが、これを薬剤投与前に予見することは困難である。本研究では、冠動脈攣縮に関わる各種タンパク質の遺伝子一塩基多型(SNPs; Single Nucleotide Polymorphism)を患者ごとに解析し、帝王切開患者でのメチルエルゴメトリンマレイン酸塩投与に伴う冠動脈攣縮の発生との関連から同薬剤選択の臨床的指標を提示することを目的とした。帝王切開術を予定されたアメリカ麻酔学会Physical Status 1-3の妊婦を無作為に抽出した。心合併症を持つ患者およびその他の理由でメチルエルゴメトリンマレイン酸塩を使用しない症例は対象から除外した。採取した血液からアルコールにて析出させたDNAを単離した。PCR(Polymelase Chain Reaction)を用いて目的とする各遺伝子を増幅するためのプライマー遺伝子鋳型、およびSNPsを検出するため蛍光色素で標識したプローブDNAが必要になるが、これらの作製に要する労力と時間を削減するため他施設に作製を注文した。対象とする一塩基多型は、前述した表の通りである。現存のリアルタイムPCR装置システム(LightCycler480 system2, Roche)を用い、融解曲線分析から各患者ごとの遺伝子型を決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究にて同意を得た選択的帝王切開を予定する産婦から血液検体を採取できた。これを用いて冠動脈攣縮に関連すると予想される遺伝子一塩基多型について塩基配列の解析を行い、患者個々の遺伝子型を決定した。帝王切開手術中に子宮筋からの弛緩出血の予防目的のためにメチルエルゴメトリンマレイン酸塩を児娩出後に投与し、投与前後の心電図変化および胸部症状の有無を統計学的に分析することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた遺伝子型と心虚血所見との関係を明らかにし、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩による副作用発現についての「個体差」が一塩基多型による遺伝的背景を要因としていることを示す。また、 帝王切開術患者における心筋虚血発症とメチルエルゴメトリンマレイン酸塩との関係について検証を行う。
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Causes of Carryover |
検体サンプルを保存するためのフリーザーを購入する予定であったが、当該年度は既存のフリーザーを代用して使用した。しかしながら、既存フリーザーの耐用年数が限られているため次年度に購入予定にしている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
フリーザーの購入費用に支出する計画である。
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