2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25861400
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山田 高成 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (20348767)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 硬膜外麻酔 / がん抑制 / Th1/Th2バランス / Th17 / 炎症性サイトカイン / NK活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回、当研究室で既に確立済みのラット硬膜外カテーテル長期留置モデルを用いて、「硬膜外麻酔が免疫担当細胞Natural killer細胞、T細胞の周術期機能を保持し、がん増殖を抑える」との仮説の下に、癌再発と周術期免疫機能の変化を探究する研究計画を立てた。 本研究計画の初年度である25年度は硬膜外麻酔を施した坦がんラットモデルを作成する事を目的とし、当初の予定したがん細胞株とは違う細胞株を用いてこれを確立した。 本研究計画の最終年度である26年度は、前年度に確立した担がんラットモデルを用いて50匹のラットを①生食投与群(25匹)と②1%リドカイン投与群(25匹)に分け、がん細胞注入の14日後にセボフルラン投与による全身麻酔下にラット尾静脈より採血を行い、それぞれ動脈血液ガス、白血球数を測定したところ両群間に有意な差を認めなかった。また、血清IFN-γ、TGF-β、IL-4、IL-6、IL-10、IL-12、IL-17濃度をELISA法で測定したところ、全ての項目で両群間に有意差を認めることが出来なかった。 更にがん細胞注入14日後にラットから肝臓組織を採取し、腫瘍組織とそこから離れた肝組織から組織標本を作製し観察したが、やはり両群間で有意な違いを認めるには至らなかった。また、肝臓から単核球を抽出しNK活性をMTT法にて測定(Leuk Lympoma 2003;44:1957)したがこれも両群間に有意差を認めなかった。 今回の研究では硬膜外麻酔が免疫担当細胞Natural killer細胞、T細胞の周術期機能に与える影響を観察することが出来なかったが、これはがん細胞株の変更により観察期間を28日間から14日間へ短縮せざるを得なかった影響が大きいと考えられる為、今後も更なる研究を続けていく予定である。
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