2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25861401
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
宮下 亮一 東京医科大学, 医学部, 助教 (30649281)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脳内ミトコンドリア / Ca代謝 / 麻酔薬の影響 |
Research Abstract |
敗血症性脳症(Septic Encephalopathy:SE)の脳障害発症機序は特定されておらず、その標的分子も明らかではない。本研究では、SEによる脳障害の実態を明らかにするために、従来の神経細胞中心的の考えを基礎にしつつ、力点を敗血症に伴う脳機能障害に当て、従来の申請者らが解析してきた脳内ミトコンドリア機能に対して、酸素代謝およびCa2+代謝の観点から解析を遂行し、さらに新たな実験系であるmiRNAを導入し、新規脳保護法確立を目指す。 本年は、敗血症性脳症誘発とMPTを介した脳内ミトコンドリア機能不全の連関解析を行った。敗血症性脳症モデルを用いて、24時間後に脳内ミトコンドリアのswellingの状況をCa2+overloadによって分析した。24時間後に、swellingもコントロールに比較して誘発されやすい状況であることが判明した。このことから、敗血症性脳症モデルに伴うミトコンドリアの膨化が、SEの病態形成に重要な役割を担っていることが明らかとなり、Ca代謝のさらなる解析をしていきたい。 また、敗血症モデルへの麻酔薬の影響に対する脳内ミトコンドリア解析においては、デクスメデトミジンは正常ラットの脳ミトコンドリアの膨化を他麻酔薬(プロポフォール、ミダゾラム)に比べて、抑制することが示唆された。この結果を基盤にして、敗血症モデルに展開することで鎮静薬のSEに対する解明に今後展開をしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度は、(1)敗血症モデルの脳内ミトコンドリア Ca2+取り込み能、ミトコンドリア膨化率の評価、(2)敗血症モデルの脳血流、呼吸能の評価を予定したが、平成26年度予定の敗血症モデルへの麻酔薬の影響に対する脳内ミトコンドリア解析を予定より早めて施行したため、(2)の実験遂行が遅れる形となった。また、SEモデル作成が安定するまでに予定より時間を要した。そのため、平成26年度においては(2)の研究課題を再度施行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
(2)敗血症モデルの脳血流、呼吸能の評価においては、モデル作製12時間後、1、2日後にの凍結切片(25μm)を作製し、脳内及び脳血管における血管内皮 細胞増殖因子(Vascular Endotherial Growth Factor:VEGF)発現の変動を TUNEL 染色,HE 染色ならび に免疫染色にて検討を行う。またレーザードップラー血流計を用い脳血流(測定位置を一定にする)を同じ 解析時間に脳を取りだす前に測定する。 (3)敗血症性脳症に存在する miRNA の同定、エキソソーム/microvesicle の蛋白解析においては、敗血症モデルより血液を採取し、これらの miRNA に関して、シ ョ糖密度勾配で遠心分離し、その後 miRNA を単離し、Agilent 社のマイクロアレイ法によって解析する。 (4)敗血症モデルへの麻酔薬の影響に対する脳内ミトコンドリア解析においては、平成25年度は正常ラットの解析を行った。引き続き、敗血症脳症モデルにおいて酸素代謝を中心に脳ミトコンドリア解析を遂行したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
使用予定額の人件費において、予想より支出が少なく、次年度使用額が生じた。 次年度は実験計画の遅れからも、予想より物品費がかかると予想されるために、次年度使用額を使用したいと考えている。
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Research Products
(2 results)