2013 Fiscal Year Research-status Report
膀胱癌の浸潤機構におけるinvadopodiaの意義と治療応用
Project/Area Number |
25861406
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
山本 勇人 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (30532759)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ivadpodia / 血小板凝集 |
Research Abstract |
本年は癌細胞浸潤におけるポドプラニンの役割を検討した。筋層浸潤膀胱癌細胞株YTS-1, T24および筋層非浸潤膀胱癌細胞株KK47を用いて以下の実験を行った。 ポドプラニンのタンパク質発現をウェスタンブロッティング法により確認したところYTS-1, T24, KK47の順に発現が低くなることを確認した。この結果から筋層浸潤能の高い細胞にポドプラニンが高発現すると考えられた。ポドプラニン遺伝子発現をpCas9プラスミド導入によりゲノムDNA改変を行うことで抑制したYTS-1と親株のYTS-1、ポドプラニン遺伝子を過剰発現させたT24と親株のT24を用い移動能を比較したところ、ポドプラニン発現の高い株において移動能が亢進した。 さらに、ポドプラニンの糖鎖修飾と血小板凝集との関連を検討した。ポドプラニンはリンパ管内皮細胞マーカーとしても知られるが、癌細胞においては血小板凝集に関与することが報告されていることから、膀胱癌においても血小板凝集に重要な役割を担うと推測された。そこでコア2糖鎖構造を形成する酵素をsiRNAを用いて抑制すると、ポドプラニン分子量の減少が確認され、確かにポドプラニン上にコア2糖鎖構造が存在する可能性を示唆するデータを得た。さらにポドプラニン上のコア2糖鎖構造の減少により血小板凝集により分泌されるサイトカイン量が有意に低下することを確認した。 以上の結果より、膀胱癌の浸潤・転移においてポドプラニンが関与する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、ポドプラニンの役割について検討を行ってきたが、invadopodiaとの関連については検討が不十分であった。 ポドプラニンの糖鎖修飾の影響を確認し、またポドプラニンが癌移動能に関与することが確認できた点はおおむね予定どおりである。 invadpodiaとポドプラニンの関与についての検討が不十分であることが本年度はやや遅れていると判断した点である。
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Strategy for Future Research Activity |
ポドプラニンがinvadopodia形成に与える影響について、更なる検討を行う。 さらに、本年度ではポドプラニン遺伝子の高発現株、低発現株を樹立できたため、マウスへの異所性および同所性移植を行い、生体内での役割も検討する。 ポドプラニンの細胞内相互作用分子として細胞骨格を制御するタンパク質との相互作用が報告されており、膀胱癌細胞においても同様の機構が存在しているかを確認する。
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Research Products
(1 results)