2014 Fiscal Year Research-status Report
去勢による骨塩量低下は去勢抵抗性前立腺癌の骨転移を促進するかどうかの解明
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25861409
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
井上 高光 秋田大学, 医学部, 講師 (60375243)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 骨転移 / 去勢 / 骨密度 / 破骨細胞 / osteoprotegerin |
Outline of Annual Research Achievements |
Balb/cヌードマウスを非去勢群、去勢群、去勢+OPG(2mg/kg週2回、尾静注)投与群の3群に分けた。micro‐CTで3群それぞれの骨密度を経時的に測定した。3群それぞれにluciferase活性を持つヒトCRPC細胞(PC3M-luc-C6)を心室内投与して、マウスCRPC骨転移モデルを作製し、骨転移のある個体数、マウス毎の骨転移数、photon countsをIVIS Imaging Systemで測定した。去勢2週後には、膝周囲全骨密度平均値は去勢群の骨密度は非去勢群に対して、有意に低下した(p = 0.034)。また、海綿骨密度は、去勢群では去勢+OPG群に対して有意に低下した(p = 0.010)。PC3M-luc-C6心室内投与3週後における骨転移発症率が、去勢群は非去勢群に対して有意に高く(p = 0.024)、去勢+OPG群は去勢群に対して有意に低かった(p = 0.028)。また、マウス毎の平均骨転移数は去勢+OPG群は去勢群に対して有意に抑制された(p = 0.020)。骨転移巣の平均photon countsは去勢+OPG群は去勢群に対して有意に抑制された(p = 0.041)。マウスを去勢すると骨密度が低下し、マウスCRPC骨転移モデルでは去勢により骨転移発症率が上昇した。またこの効果は、いずれもOPGにより相殺された。本研究で示した去勢による骨転移の促進は、RANK-RANKLシグナルを介した破骨細胞活性化作用による可能性が高い。臨床ではADT開始時からの破骨細胞抑制が、骨粗鬆症ならびに骨転移の抑制に有効である可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の当初の目的である、ADTが破骨細胞を活性化し骨塩量を減少させることで、去勢抵抗性前立腺癌の骨転移を促進している現象は、ヌードマウスを用いた実験で、ほぼ証明された。
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Strategy for Future Research Activity |
骨の免疫染色により、破骨細胞のTRAPおよび、骨芽細胞のRANKLの発現を各群で比較し、ADTが破骨細胞のRANKシグナルを亢進し骨塩量を減少させ、CRPCの骨転移を促進していることを証明する。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が遅れたため、次年度に持ち越して助成金を使用する必要に迫られ、申請して認められた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
骨の免疫染色により、破骨細胞のTRAPおよび、骨芽細胞のRANKLの発現を各群で比較し、ADTが破骨細胞のRANKシグナルを亢進し骨塩量を減少させ、CRPCの骨転移を促進していることを証明する。
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