2013 Fiscal Year Research-status Report
去勢抵抗性前立腺癌でのスタチンによる腫瘍内アンドロゲンde novo合成への影響
Project/Area Number |
25861410
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
関根 芳岳 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00516370)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 前立腺癌 |
Research Abstract |
【方法】前立腺癌細胞PC-3、charcoal stripped FBSを使用した培地にて長期培養して樹立したホルモン非依存性LNCaPを使用し、シンバスタチン投与後の、細胞内コレステロール濃度測定、定量的PCRによるアンドロゲン産生経路の各酵素の発現変化の評価を行った。また細胞増殖はMTSアッセイ、遊走能はwound healing assayなどにより、評価を行った。細胞培養液内アンドロゲン濃度の測定は、LC-MS/MSで行った。【結果】simvastatin投与により、細胞内のコレステロール濃度の低下を認めた。また、アンドロゲン産生経路の酵素では、PC-3 では、CYP11A1、AKR1C3、SRD5A2の発現上昇、HSD3B1の発現低下を、ホルモン非依存性LNCaPでは、AKR1C3の発現上昇、HSD3B1の発現低下を認めた。特にPC-3でのAKR1C3の発現上昇は50倍以上と顕著であった。発現上昇したAKR1C3の機能解析を行う目的で、シンバスタチン投与下でアンドロステンジオンをPC-3に投与し、培養液中のテストステロン、DHTを測定したところ、ともにスタチン投与群で濃度の上昇を認めた。また、AKR1C3をsiRNAでノックダウンし、シンバスタチンを投与したところ、コントロールsiRNAをトランスフェクションした群に比べ、さらなる細胞増殖効果及び遊走能抑制効果を認めた。同様に、AKR1C3の阻害作用を持つmeclofenamic acidをsimvastatinに併用したところ、同様の効果を認めた。スタチン投与により、de novo アンドロゲン産生経路の酵素の発現が変化し、さらにその変化をターゲットとする薬剤の併用が、ホルモン不応性前立腺癌に対して効果がある可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた実験を行うことが出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
<in vivoモデルでの検討> ヌードマウスにPC-3細胞を移植し、in vivoでのスタチン及びmeclofenamic acidの併用の効果を検討する。ゼノグラフト作成後、スタチン及びmeclofenamic acidを連日マウスへ投与(腹腔内投与)し、抗腫瘍効果の有無を検討する。また腫瘍への効果の確認後、マウスよりゼノグラフトを摘出し、組織内テストステロン濃度の測定およびアンドロゲンde novo合成経路の各酵素のmRNAの発現変化を解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初はウェスタンブロットまでH25年度に行う予定であったが、他の実験に時間がかかり、行うことが出来なかったため、H26年度に行うこととした。 アンドロゲン受容体の下流シグナルであるPSA、FKBP5などの変化をウェスタンブロットや定量的PCRで評価し、細胞内テストステロン濃度の変化と下流シグナルとの関係を評価する。
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