2013 Fiscal Year Research-status Report
CTOS法を用いた前立腺癌アンドロゲン維持機構の解明とオーダーメード治療の可能性
Project/Area Number |
25861411
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
新井 誠二 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (10636210)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 去勢抵抗性前立腺癌 / 癌細胞初代培養 |
Research Abstract |
これまでの細胞株を用いた去勢抵抗性前立腺癌(castration-resistant prostate cancer:CRPC)研究から、患者個々のheterogeneityを反映したCRPC研究(特に治療効果判定、組織内アンドロゲン維持機構の解明)を可能とすることを目的として、群馬大学倫理委員会の承認を受けた後に、治療経過中に尿閉を来たし、その解除目的に経尿道的前立腺切除術を施行されたCRPC患者より、CRPC組織を採取した。 新規癌細胞初代培養法(cancer tissue-originated spheroid:CTOS法)を用いて、採取されたCRPC組織の一部をただちに機械的・化学的に処理し、適切な篩にかけ、直径数100 μmの腫瘍細胞塊を回収した。これを、幹細胞培地で数時間浮遊培養し、CRPC組織からの初代培養を試みたが、残念ながらCTOSの形成には至らなかった。CTOS作成工程と並行して、採取したCRPC組織の一部を数mmの組織片に細分した後にSCIDマウスに移植し、CRPC xenograftマウスの作成も試みたが、xenograft形成には至らなかった。 また、採取したCRPC組織のアンドロゲン維持機構解明のため、その一部についてアンドロゲン定量を行った。その結果、従来の報告と同様に、CRPC組織内のテストステロン濃度がアンドロゲン依存性の前立腺癌と比して、高値であることが分かった。現在、組織内アンドロゲン維持機構解明のため、CRPC組織、アンドロゲン依存性前立腺癌株化細胞(LNCaP)、アンドロゲン非依存性前立腺癌株化細胞(LNCaP-LA)における細胞膜トランスポーター(SLCO1B1、SLCO1B3、SLCO2B1、SLCO1A2、SLCO2A1)についての解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度に目標としていたCRPC組織からのCTOS形成が予定通りに遂行できておらず、それと並行して作成したSCIDマウスへのXenograft作成も成功していない。また、アンドロゲン依存性前立腺癌株化細胞(LNCaP)、アンドロゲン非依存性前立腺癌株化細胞(LNCaP-LA)における細胞膜トランスポーター(SLCO1B1、SLCO1B3、SLCO2B1、SLCO1A2、SLCO2A1)についても解析途中であることから、以上のように判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
CRPC組織内アンドロゲン維持機構解明のため、CRPC組織、アンドロゲン依存性前立腺癌株化細胞(LNCaP)、アンドロゲン非依存性前立腺癌株化細胞(LNCaP-LA)における細胞膜トランスポーター(SLCO1B1、SLCO1B3、SLCO2B1、SLCO1A2、SLCO2A1)についての解析を進める。さらに、CRPC組織については、組織内アンドロゲン代謝酵素の発現および組織内アンドロゲン濃度の定量を行い、細胞膜トランスポーターとの機能的な関連について、解析を進める。 CRPC組織からのCTOS作成については、組織採取法の変更(例えば、CRPCに対する経尿道的前立腺切除に際し、電気メスによる切除組織ではなくcold生検組織を用いる)、培養液の条件検討(特にテストステロン濃度)、組織採取からCTOS作成までの迅速化等を図ることで、成功につなげる。また、高リスク前立腺癌に対する前立腺全摘の際に、転移が疑われるリンパ節組織からのCTOS作成を試みることで、アンドロゲン依存性前立腺癌組織からのCTOS作成の可能性についても検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
CTOS作成および細胞膜トランスポーターの解析について、以前に購入していた試薬が予想よりも余剰分があり、今年度については、試薬購入費用が必要とならなかった。また、CTOS作成が予定通りに遂行できず、そのホルモン定量のためにあげていた経費を今年度使用できなかったため、使用額の変更が生じた。 CRPC組織からのCTOS作成のための試薬購入、およびXenograft作成のためのSCIDマウス購入が必要となる。 また、CRPC組織、アンドロゲン依存性前立腺癌株化細胞(LNCaP)、アンドロゲン非依存性前立腺癌株化細胞(LNCaP-LA)における細胞膜トランスポーター(SLCO1B1、SLCO1B3、SLCO2B1、SLCO1A2、SLCO2A1)についての解析を進めており、今年度はその試薬購入が必要となる。さらに、CRPC組織について、組織内アンドロゲン代謝酵素の発現および組織内アンドロゲン濃度の定量を行うため、その費用が必要となる。
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