2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25861412
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
森井 章裕 富山大学, 大学病院, 診療助手 (20377279)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 転写因子 / プロモーター / 放射線応答性 / マイクロRNA / 低酸素 |
Outline of Annual Research Achievements |
前回同定した転写因子をもとにライブラリーを作成したが、in vitroで放射線に強く応答するプロモーターが得られなかったため、in vivoでのLNCaP細胞のマイクロアレイデータより、活性化する転写因子の解析を再度行った。その結果、10 Gyのエックス線により高い活性化が推定される転写因子として、TP53、FOXO、STAT、IRF1、CREB、NFAT、EGR1などが新たに判明した。これらの情報をもとにプロモーターライブラリーを構築した。10 Gyのエックス線に応答して下流マーカー遺伝子の発現を約3倍増強するプロモーターを取得した。これがin vivoでも同様に働くかについてアッセイを予定している。 放射線応答性プロモーターと組織特異的に発現するマイクロRNA、miR200cの結合配列を組み込んだベクターで自殺遺伝子であるfcy::fur遺伝子を組み込んだものを細胞に導入したところ、miR200cを発現しない細胞でのみプロドラッグ5-FC存在下で放射線応答性に殺細胞効果を増強した。 構築したLNCaP細胞で働く放射線応答性プロモーターによる遺伝子発現の増強度は、偽低酸素である200μMのCoCl2存在下では約4分の1(約2倍)にまで低下する。逆に、転写因子HIFが結合するHBSを4コピー結合したプロモーターは放射線には応答しないが、低酸素下で活性化し、200μMのCoCl2存在下では約5倍発現増強することが示された。例えば、これらのプロモーターでT7 RNAポリメラーゼ遺伝子を発現させることで、T7プロモーター下に結合した目的の遺伝子の発現を低酸素下でも放射線照射でも制御可能となるシステムが構築できる。現在も、完成を目指して検討中である。 研究計画に対して多少遅れが出たが、予定した計画はほぼ網羅し、着実に結果に結びついていると思われる。
|