2015 Fiscal Year Annual Research Report
EAATを介する中枢性排尿調節メカニズムの包括的解明
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25861421
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
引田 克弥 鳥取大学, 医学部, 助教 (50403407)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | グルタミン酸 / トランスポーター / ラット / 下部尿路機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
グルタミン酸トランスポーターの非選択的阻害剤を用いて、ウレタン麻酔下ラットの連続膀胱内圧測定を施行。グルタミン酸トランスポーター非選択的阻害剤の脊髄腔内および脳室内投与は、glutamate-mediated inhibitory pathwayを介して排尿反射を抑制することを確認した。 グルタミン酸トランスポーターは、GLAST(EAAT1)、GLT-1(EAAT2)、EAAC-1(EAAT3)、EAAT4、EAAT5の5つのサブタイプが同定されているため、ぞれぞれのサブタイプの選択的阻害剤を用いて同様の内容について予備実験を施行した。しかし、それぞれの薬剤の親和性等の問題で、適切な投与量の設定に難渋した。また、中枢神経において興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸が排尿反射に影響を与えるためには、抑制性神経伝達物質であるグリシンのシナプス間濃度の関与があることも報告されている。そのため、グリシントランスポーターの排尿反射に対する役割を明らかにすることも必要と判断し、グリシントランスポーターGlyT-1の選択的阻害剤であるALX5407を用いて、ウレタン麻酔下連続膀胱内圧測定を行った。実験にはSprague-Dawley(SD)ラットを使用した。ALX5407の脊髄腔内投与は容量依存的に排尿間隔、排尿閾値圧を有意に上昇させた。一方、ALX5407の脳室内投与では、膀胱内圧に影響を与えず、GlyT-1の脊髄レベルでの抑制は、ウレタン麻酔下ラットの排尿反射を抑制することを解明した。
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