2013 Fiscal Year Annual Research Report
低分子量GTPase活性光制御法による前立腺癌浸潤転移機構ライブイメージング解析
Project/Area Number |
25861427
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
加藤 琢磨 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (70625673)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 低分子量Gタンパク質 / 細胞骨格 / 前立腺癌 / PI3K / Rac1 |
Research Abstract |
がん細胞は葉状突起と呼ばれる突起構造を形成して間葉性運動を行うが、低分子量G蛋白質であるRac1は細胞骨格の構築を制御することにより葉状突起の形成に関与している。Klaus Hahnらは、生きた細胞に青色レーザー光を特定の領域に、任意のタイミングで照射することによりGTP結合タンパク質の活性スイッチを自由にOn、OffできるPhoto-activatable Rac1(PA-Rac1)を開発した。我々はこの低分子量GTPase活性光制御ライブイメージング法を用いて、Rac1活性を光制御により時間空間的にコントロールし、前立腺がん細胞骨格の変化の解析を行った。PA-Rac1のcDNAを前立腺がん細胞株(PC-3)にリポフェクション法で遺伝子導入を行った。12-24時間後に共焦点レーザー顕微鏡観察下に、PA-Rac1発現前立腺がん細胞の任意の領域内だけを青色レーザーでパルス照射してRac1を局所で活性化し、動画観察解析を行った。青色レーザー光照射によりPC-3細胞の任意の部位に可逆的に葉状突起を発生させることが出来た。葉状突起は薄い膜状のシート構造として伸展し、続いてrufflingと呼ばれる波打ち運動が起こることを見出した。PI(3,4,5)P3の可視化プローブであるYFP-Akt PH domainやWAVE2を共発現させて、動画観察解析、蛍光強度定量解析をおこなった。AKT-PHは葉状突起内に存在し、WAVE-2は伸展する葉状突起の辺縁に点状に存在していた。さらにPI3キナーゼの阻害剤の存在下では、葉状突起の伸展は抑制されてAKT-PH 、WAVE-2も見られなくなったが、rufflingは維持されていた。このことからRac1活性化により生じる葉状突起の伸展はPI3Kに依存するが、辺縁のrufflingはPI3K非依存性と考察された。
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Research Products
(4 results)