2015 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア傷害を標的とした尿路結石の新規治療薬とバイオマーカーの開発
Project/Area Number |
25861437
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
新美 和寛 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (70551274)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 尿路結石 / ミトコンドリア / Cyclophilin D |
Outline of Annual Research Achievements |
尿路結石の生涯罹患率は食文化の欧米化に伴い上昇し、わが国では男性では100人中15人、欧米では20人にも達する国もみられ、その成因の究明と再発予防法の確立は急務である。尿路結石は90%の無機物質と数%の有機物質から構成されている。近年、有機物質の成分としてオステオポンチンなどが同定され、遺伝子レベルで尿路結石の病態研究が進んでいるが、未だ再発予防法は開発されていない。本研究では、結石形成時の腎尿細管細胞での病態を詳細に解明し、予防法の開発に応用することを目的とし、以下の2つの研究を行った。 1.Cyclophilin D欠損マウスを用いた研究、2.Cyclophilin Dの選択的阻害剤を用いた研究(尿路結石予防薬の開発)。 結果1:CyclophilinDを欠損させたマウスに結石モデルマウス作成の手法に準じてシュウ酸前駆物質であるグリオキシル酸を連日腹腔内投与したところ、Wild typeマウスと比較して有意に結石形成量が抑制された。またCyclophilinDの活性には酸化ストレスや細胞質内カルシウム上昇が起点となることが判明した。 結果2:cyclophilinD活性阻害作用を有するcyclosorinA以外にcyclophilinD選択阻害剤(NIM811 (N-Methyl-4-isoleucine cyclosporine))を投与することにより、結石モデルマウスにおいて結石を抑制することに成功した。
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Research Products
(2 results)