2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25861445
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
穴井 智 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70526699)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 去勢抵抗性前立腺癌 / 低侵襲検査 / 蛍光細胞診 / 尿細胞診 / 予後予測 / 治療効果予測 / PTEN |
Research Abstract |
前立腺癌治療において最も重要な解決すべき課題は、転移性前立腺癌、特に去勢抵抗性前立腺癌であり、これが前立腺癌死の大部分を占めている。去勢抵抗性前立腺癌に対する根本的治療方法は確立されておらず、その予後は約2年と報告されており、抗癌剤ドセタキセルが治療の中心に位置づけられている。しかし、ドセタキセルの治療効果を予測することは困難であり、かつ、前立腺癌における診断・治療効果判定において極めて有用であるPSA(前立腺特異抗原)が去勢抵抗性前立腺癌の30%程度で、PSA値と関連なく病勢進行を呈することがあるため、去勢抵抗性前立腺癌の治療・予後予測方法の確立は喫緊の課題である。 今回、患者尿検体による前立腺癌検出を目的とした光力学的診断を、去勢抵抗性前立腺癌の診断に応用できるかどうかの検証を行ってきたが、去勢抵抗性前立腺癌患者においても尿中剥離細胞中にプロトポルフィリンIX(PpIX)陽性細胞は検出可能であった。さらに、手術・放射線治療などの根治的治療で予後不良因子とされるPTEN遺伝子の欠失が、去勢抵抗性前立腺癌患者における尿中剥離細胞で評価できるかどうかをFISH法で検討している。現時点では、前立腺癌細胞株を用いて検証中である。去勢抵抗性前立腺癌におけるPTEN遺伝子欠失の程度は明らかではないが、今回の尿検体を用いてPTEN遺伝子の欠失と予後・治療効果との関連性が証明できれば、低侵襲かつ簡便に去勢抵抗性前立腺癌の予後・治療効果予測を行うことが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでに約15例の去勢抵抗性前立腺癌患者の尿検体を収集し、尿中剥離細胞中のPpIX陽性細胞の検出を行っており、今後約2倍の症例集積が期待される。しかし、PTEN遺伝子欠失の基礎検討の進捗が遅れており、「(3)やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
尿中はく離細胞におけるPTEN遺伝子の欠失を同定するために、細胞株を用いた基礎検討を一層重ねた上で、臨床検体への検討へ応用していく。さらに、光力学的診断でのマイクロ流体デバイスのFISH法検出へ応用し、それで分別できた陽性細胞における、PpIX陽性およびPTEN遺伝子欠失と関連する遺伝子解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
PTEN遺伝子欠失を評価するためのFISH法の検討に時間を要したため、試薬購入が予定よりも少なかったため。 残額を本年度に使用する。
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Research Products
(2 results)