2013 Fiscal Year Research-status Report
難治性前立腺癌におけるAkt経路とアンドロゲン受容体経路の制御による新規治療戦略
Project/Area Number |
25861449
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石岡 桂 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80573352)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ドセタキセル抵抗性前立腺癌細胞株 / アンドロゲン受容体阻害剤 / PI3K/mTOR阻害剤 / 抗腫瘍効果 / 併用効果 |
Research Abstract |
当教室では去勢抵抗性前立腺癌細胞株であるC4-2をアンドロゲン除去下で培養し、C4-2AT6細胞株を樹立した。去勢抵抗性前立腺癌に対する標準治療はドセタキセルを用いた抗癌化学療法であるが、C4-2AT6はC4-2と比較し有意にドセタキセルに対して抵抗性を示す。ドセタキセルがPI3K/Akt pathwayを活性化する事に着目して、C4-2AT6に対するPI3K/mTOR 阻害剤の有効性について検討した。PI3K/mTOR阻害剤はドセタキセル抵抗性であるC4-2AT6において高い抗腫瘍効果を示し、ドセタキセル抵抗性の改善に寄与する可能性を示唆した。PI3K/mTOR阻害剤の問題点の一つに、フィードバック経路がある。とりわけ前立腺癌においてはアンドロゲン・アンドロゲンレセプター軸(AR axis)とPI3K/Akt pathwayとの相補排他的フィードバック経路が挙げられる。そこでPI3K/mTOR阻害剤とAR阻害剤との併用療法に着目して検討を行った。C4-2AT6はC4-2と比較してアンドロゲンレセプターの亢進を認め、PI3K/mTOR阻害剤(NVP-BEZ235)の使用は濃度依存的にアンドロゲンレセプターの発現を亢進させた。続いて、アビラテロンやMDV3100等の抗アンドロゲン剤とNVP-BEZ235の併用によるC4-2AT6に対する殺細胞効果をWST assay法を用いて評価した。しかし、アビラテロンとの併用において若干の殺細胞効果の上昇を認めたものの、仮説と反してMDV3100とNVP-BEZ235の併用療法はC4-2AT6に対して有効性を示さなかった。アンドロゲン感受性前立腺細胞株であるLNCaPではこれらの薬剤の併用の有効性が報告されている。これらの結果は、高い悪性度を獲得した前立腺癌細胞ではAR axisとPI3K/Akt pathwayの同時阻害は有効性を示さないこと示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
C4-2AT6はC4-2と比較してアンドロゲンレセプターの亢進を認め、PI3K/mTOR阻害剤(NVP-BEZ235)の使用は濃度依存的にアンドロゲンレセプターの発現を亢進させたが、併用について検討したところ、アビラテロンとの併用において若干の殺細胞効果の上昇を認めたものの、仮説と反してMDV3100とNVP-BEZ235の併用療法はC4-2AT6に対して有効性を示さなかった。アンドロゲン感受性前立腺細胞株であるLNCaPではこれらの薬剤の併用の有効性が報告されていることから、高い悪性度を獲得した前立腺癌細胞ではAR axisとPI3K/Akt pathwayの同時阻害は有効性を示さないことを示唆し、併用効果についての評価はできているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予想と反し、アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害剤とPI3K/mTOR阻害剤の併用療法はC4-2AT6に対して有効性を示さなかったが、それを今後in vitro(皮下腫瘍モデル)でも検討する。また上記併用療法が有効性を示さなかった機序、抗腫瘍効果を得られる新規方法に関しても検討していく。
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