2013 Fiscal Year Research-status Report
GEP100-Arf6-AMAP1pathway制御による前立腺癌浸潤形質の制御
Project/Area Number |
25861452
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
金子 剛 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (20445266)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 前立腺癌 |
Research Abstract |
これまでに乳癌において、EGFRを介しGEP100-Arf6-AMAP1 pathwayがE-cadherinの発現を制御すること、およびAMAP1の発現が予後予測因子として有用であると報告されている。また同pathwayが浸潤形質を制御することが着々と解明されており、同pathwayは新規治療標的として有用であると考えられている。前立腺癌は性ホルモンと関連を有するなど乳癌と共通点の多い癌種である。本研究では、同pathwayが前立腺癌の浸潤形質を制御機構であるか解明し、同pathwayの制御が新規治療戦略として有用であるか検討することを目的とした。 本年は限局性前立腺癌におけるGEP100、AMAP1発現と予後(再発)の関連を解析した。前立腺全摘術を施行した症例のうち、術後5年以上追跡可能であった検体を用いて、GEP100およびAMAP1発現の意義を検討した。手術摘除検体のパラフィン包埋切片を用いて免疫組織学的染色を行い、腫瘍部位におけるGEP100およびAMAP1の発現を検討した。はじめにGEP100、AMAP1抗体の染色条件を設定した。次に200例を超える組織検体を用いた検討で、GEP100、AMAP1ともに高悪性度の癌組織に有意に強発現していることを確認した。また、既存の前立腺癌術後の再発予測因子とともにGEP100・AMAP1の発言を因子として施行した多変量解析にて、GEP100の高発現は独立した再発予測因子であった。以上より、前立腺癌においてもGEP100 - Arf6 - AMAP1 pathwayを構成するsignalの発現は、再発予測因子として有用である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に限局性前立腺癌におけるGEP100、AMAP1発現と予後(再発)の関連を統計学的に検討することを目標としていたが予定通り施行可能であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、以下の検討を予定している。 1.ヒト前立腺癌細胞の抽出タンパクを用いて、Westerblot法にてEGFR、GEP100、AMAP1、E-cadherinの発現を検討する。またマウス皮下腫瘍モデルから抽出したタンパクにおいてもこれらの発現を検討する。 2.EGFR阻害薬などの投与によるGEP100、AMAP1、E-cadherinの発現変化をin vivo、in vitroで検討する。 3.GEP100の発現調節によるE-cadherinの発現変化をWesterblot法にて、また浸潤活性をMatrigel invasion assayにて検証する。
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