2014 Fiscal Year Annual Research Report
性感染症におけるアデノウイルスの実態調査及び分子疫学的研究
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25861458
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
花岡 希 国立感染症研究所, その他部局等, 研究員 (00584517)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 性感染症 / 非クラミジア性非淋菌性尿道炎 / 病原体探索 / アデノウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
「性感染症におけるアデノウイルスの実態調査及び分子疫学的研究」を推進するため、1.研究体制の確立2. 研究方法の選定、3.研究試料の確保4.調査研究の実施と、大きく4段階に分けて研究を進めた。1.研究体制の確立では、泌尿器科クリニックとの連携が確立でき、2. 研究方法の選定では、性感染の中でも特に問題となっている、尿道炎に着目し、PCR法を中心とした網羅的な微生物探索法を選定し、アデノウイルス(Ad)特異的な症例を調査することとした。3.研究試料の確保では、倫理審査での承認を経て、クリニック受診患者の同意のもと、尿やうがい液検体を収集する体制を確立できた。4.実際のスクリーニングでは、尿道炎関連患者約200名分、無症状者コントロール約100名分の検体を検査することが出来た。その結果、非クラミジア性非淋菌性尿道炎患者の尿検体から、有意にAdが検出・分離された。同定したAdの型別解析を行ったところ、Ad56型が最も多く、次いでAd37型であった。Ad37型は古くから流行性角結膜炎と泌尿器関連疾患に関与することが知られており、現在でも蔓延している状況が確認できた。Ad56型は新たな遺伝型として報告された型であり、Ad37型と同様に流行性角結膜炎を引き起こすことが報告されているが、近年、我が国においてはじめて尿道炎に関連することが報告された型であり、本探索においても同様に存在が確認出来た。Ad56型がAd37型よりも多く分離できたことは、新たな遺伝型であるAdの流行が示唆された。今後さらなるスクリーニングの継続によって、より多くの尿道炎関連Adの分離同定が期待でき、それらを用いた病原性解析等への展開が期待できた。また、性感染症における関連病原体の周知等を含めたインターネットを用いた感染症啓発効果に関する検討も進め、広く応用可能な啓発方法も開発し提案した。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] A novel complex recombinant form of type 48-related human adenovirus species D isolated in Japan.2014
Author(s)
Fujimoto T, Yamane S, Ogawa T, Hanaoka N, Ogura A, Hotta C, Niwa T, Chiba Y, Gonzalez G, Aoki K, Koyanagi KO, Watanabe H
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Journal Title
Jpn J Infect Dis.
Volume: 67
Pages: 282-287
Peer Reviewed / Open Access
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