2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25861459
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
築地 謙治 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40528155)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 子宮平滑筋肉腫 / クルクミン / モデルマウス / mTOR |
Research Abstract |
既存薬物の奏効率がきわめて低い子宮平滑筋肉腫に対する新しい薬物治療の開発を目的とし、研究を遂行している。 平成25年度は子宮平滑筋肉腫細胞株であるSKN細胞を用いてクルクミン、高吸収性クルクミン(セラクルミン)、および高活性型クルクミン(GO-Y030)の細胞増殖抑制効果およびその機序について解析してきた。MTS assayによる細胞増殖解析により、クルクミン、セラクルクミンは10uMより、GO-Y030は5uMより増殖抑制効果を示した。細胞数計測によっても同様の結果であった。また、TUNEL染色により3剤の増殖抑制濃度においてTUNEL陽性細胞数の増加、つまりアポトーシスが誘導されていることが分かった。さらに、Western blotにより200uMのクルクミンはリン酸化AKT、リン酸化mTOR、リン酸化S6などの発現低下を引き起こしており、クルクミンの増殖抑制効果はAKT-mTOR経路の抑制によることが確認された。 同時に検討しているヒト子宮平滑筋肉腫細胞移植モデルマウスに対するクルクミンの効果の検討であるが、25年度はヒト子宮平滑筋肉腫細胞株であるSK-UT-1細胞を用いて移植の条件を検討してきた。ヌードマウス(BALB/cAJC)の背部皮下に対しSK-UT-1細胞の移植細胞数を104~108の間で検討した。また、移植時にマトリゲルの添加の有無の効果も同時に検討した。その結果、107の細胞数で最も良好な移植結果が得られ、またその際マトリゲルの添加は必須であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体としておおむね順調に進展している。 細胞を用いた研究では申請時の研究計画の8割ほどを完了している。SKN細胞に対するクルクミン、セラクルミン、GO-Y030の細胞増殖抑制効果の検討を行ってきた。MTS assayおよび細胞数の計測により、3剤に細胞増殖抑制効果があることが確認された。また、アポトーシスを誘導することも突き止めた。さらに、その作用機序としてWestern blotの結果からAKT-mTOR経路を抑制することだと確認された。 ヒト子宮平滑筋肉腫細胞移植モデルマウスでの検討ではまずその作成に着手している。ヌードマウス(BALB/cAJC)に対しSK-UT-1細胞を107細胞移植すること、その際にマトリゲルの添加が必須であることが確認できた。こちらは特に今年度の研究計画の9割ほどを終了したことになる。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度で行えなかったもの、および26年度で実施予定のものを引き続き行っていく。In vitroの実験では、SKN細胞のみで検討を行っていたため、もう1つの子宮平滑筋肉腫細胞株であるSK-UT-1細胞についても同様の効果が得られるかの検討を行っていく。また、作用機序としてAKT-mTOR経路の関与が示唆されたため、mTOR阻害薬であるラパマイシンを用いてクルクミンとの比較検討をする。さらに詳細な作用機序の検討として細胞周期への影響もWestern blotおよびFACSを用いて加えて検討する。 In vivoについては、移植条件が確立されたため、実際に各薬剤を投与してin vitroで得られた効果が同様に得られるかを検討していく。具体的には経時的な腫瘍サイズの変化、8週間投与後に腫瘍を摘出し、病理組織学的に薬剤の効果を検討していく。具体的にはヘマトキシリン・エオジン染色はもちろん、免疫染色にてin vitroで関与が示唆されたAKT、mTOR、S6などのAKT-mTOR経路の発現を確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額である。 平成26年度請求額と合わせ、平成26年度の研究遂行に使用する予定である。 今年度、14万円程度の次年度使用額が生じたが、来年度も引き続き子宮平滑筋肉腫モデルマウスを用いた研究を予定しているため、その際のヌードマウスの購入、およびその他試薬の購入に使用する予定である。
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