2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25861459
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
築地 謙治 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40528155)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 子宮平滑筋肉腫 / クルクミン / モデルマウス / mTOR |
Outline of Annual Research Achievements |
既存薬物の奏効率がきわめて低い子宮平滑筋肉腫に対する新しい薬物治療の開発を目的とし、研究を遂行してきた。 平成27年度は26年度に行ったSK-UT-1細胞株を用いた子宮平滑筋肉腫細胞移植モデルマウスを用いてクルクミンの抑制効果を、腫瘍サイズ(体積・重量)のみではなくその機序についても検討を進めた。また、腸管からの低吸収性が知られるクルクミンにおいてその欠点を補うべく開発された高吸収性クルクミン(セラバリュー社)を用いて、その効果の差異についても検討を行った。26年度同様、ヌードマウス(BALB/cAJC)の背部皮下にSK-UT-1細胞株を移植し、子宮平滑筋肉腫細胞移植モデルマウスを作成した。さらにクルクミンを250mg/kg/dayの濃度で移植後8日目より1週間、経口投与した。移植後14日目に解剖し、移植組織を摘出した。体積重量の変化は昨年報告している。今年度はその機序について検討した。これまでにSK-UT-1細胞株を用いたin vitroの実験で、クルクミンの細胞増殖抑制効果にはmTOR経路およびアポトーシスが関与していることを我々は解明している。よって、in vivoにおいてもこの経路の蛋白がどうなっているか移植組織切片の免疫染色にて検討した。結果、リン酸化mTORおよびその下流のリン酸化S6のタンパク発現が減少し、アポトーシス関連蛋白は増加していた。よって、in vitro同様in vivoにおいてもクルクミンの子宮平滑筋肉腫細胞増殖抑制効果にはmTOR経路およびアポトーシスが関連していることが確認できた。 また、同時に高吸収性クルクミン50 mg/kg/dayと250 mg/kg/dayをクルクミンと同じ条件にて投与し、腫瘍サイズの変化を検討したが、クルクミン250mg/kg/dayで見られた変化が高吸収性クルクミン50mg/kg/dayで確認され、高吸収性クルクミンを用いることでより少量で高い効果を得られる可能性が示唆された。
|