2015 Fiscal Year Annual Research Report
子宮体癌・子宮内膜間質肉腫におけるアロマターゼインヒビターの有用性に関する検討
Project/Area Number |
25861471
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
有本 貴英 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30401087)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 抗腫瘍効果 / 子宮体癌 / 分子標的治療薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
基礎研究:子宮体癌16細胞株を用い、分子標的治療薬olaparibの抗腫瘍効果を検討した。感受性株は4細胞株、耐性株は4細胞株であった。また類内膜腺癌細胞株HEC-6にて、olaparib添加下で経時的にPARP切断が誘導された。さらにHEC-6を用い、olaparib添加下での細胞培養を行い、olaparibが細胞周期に与える影響をflow cytometory解析したところ、コントロール群でsub-G1期の割合が3%であったのに対しolaparib添加群では24%と著明に増加していた。以上よりolaparibがG2/M期での細胞周期停止とPARP切断の両方を誘導することによって、アポトーシスを誘導することが示唆された。 次にPI3KとmTORの両方の阻害作用のある分子標的治療薬DS-7423を用い、卵巣明細胞腺癌9細胞株での抗腫瘍活性を調べたところ、全細胞株において50%細胞増殖抑制濃度が75nM以下であり、感受性があると考えられた。うち3細胞株を用いてBALB/cヌードマウス皮下移植モデルを作成し、DS-7423を経口投与してin vivoでの腫瘍増殖抑制効果を検討したところ、全細胞株のモデルで濃度依存性に増殖抑制効果を認めたが、うちp-AKTの発現レベルの高い2細胞株のモデルで効果が顕著であった。 さらに、PI3K/mTOR阻害薬であるvostalisibとMEK阻害薬であるpimasertibを用い子宮体癌細胞株での抗腫瘍効果を検討したところ、pimasertibに感受性のある6細胞株で両方の薬剤を使用することによる相乗効果が認められた。Flow cytometory解析では、両薬剤の併用により有意にsub-G1期の細胞の割合が上昇することが示された。 臨床研究:前化学療法歴のある、再発子宮体癌症例5例に対し、書面による同意取得の下アナストロゾール1mgを1日1回経口投与を行った。全症例で重大な有害事象は認められなかった。最良総合効果は5例中3例で stable disease, 2例が progressive diseaseであり、stable diseaseの3例ではそれぞれ23, 10, 12ヶ月の無増悪生存期間が得られた。
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Research Products
(25 results)
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[Journal Article] Prognostic importance of CDK4/6-specific activity as a predictive marker for recurrence in patients with endometrial cancer, with or without adjuvant chemotherapy.2015
Author(s)
Ikeda Y, Oda K, Ishihara H, Wada-Hiraike O, Miyasaka A, Kashiyama T, Inaba K, Fukuda T, Sone K, Matsumoto Y, Arimoto T, Maeda D, Ikemura M, Fukayama M, Kawana K, Yano T, Aoki D, Osuga Y, Fujii T
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Journal Title
British Journal of Cancer
Volume: 113(10)
Pages: 1477-1483
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Antitumor activity of a combination of dual PI3K/mTOR inhibitor SAR245409 and selective MEK1/2 inhibitor pimasertib in endometrial carcinomas.2015
Author(s)
Inaba K, Oda K, Ikeda Y, Sone K, Miyasaka A, Kashiyama T, Fukuda T, Uehara Y, Arimoto T, Kuramoto H, Wada-Hiraike O, Kawana K, Yano T, Osuga Y, Fujii T.
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Journal Title
Gynecologic Oncology
Volume: 138(2)
Pages: 323-331
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] PI3K/mTOR pathway inhibition overcomes radioresistance via suppression of the HIF1-α/VEGF pathway in endometrial cancer.2015
Author(s)
Miyasaka A, Oda K, Ikeda Y, Sone K, Fukuda T, Inaba K, Makii C, Enomoto A, Hosoya N, Tanikawa M, Uehara Y, Arimoto T, Kuramoto H, Wada-Hiraike O, Miyagawa K, Yano T, Kawana K, Osuga Y, Fujii T.
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Journal Title
Gynecologic Oncology
Volume: 138(1)
Pages: 174-180
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Minimization of curative surgery for treatment of early cervical cancer: a review.2015
Author(s)
Arimoto T, Kawana K, Adachi K, Ikeda Y, Nagasaka K, Tsuruga T, Yamashita A, Oda K, Ishikawa M, Kasamatsu T, Onda T, Konishi I, Yoshikawa H, Yaegashi N; Gynecologic Cancer Study Group of the Japan Clinical Oncology Group.
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Journal Title
Japanese Journal of Clinical Oncology
Volume: 45(7)
Pages: 611-616
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] HPV-16 impairs the subcellular distribution and levels of expression of protein phosphatase 1γ in cervical malignancy.2015
Author(s)
Seiki T, Nagasaka K, Kranjec C, Kawana K, Maeda D, Nakamura H, Taguchi A, Matsumoto Y, Arimoto T, Wada-Hiraike O, Oda K, Nakagawa S, Yano T, Fukayama M, Banks L, Osuga Y, Fujii T.
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Journal Title
BMC Cancer
Volume: 15
Pages: 230
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] 子宮体癌根治術直後に、大動脈の壁在血栓による急性下肢動脈閉塞症をきたした1例2015
Author(s)
篠原 智子, 曾根 献文, 森 繭代, 足立 克之, 長阪 一憲, 松本 陽子, 有本 貴英, 織田 克利, 川名 敬, 大須賀 穣, 藤井 知行
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Journal Title
東京産科婦人科学会会誌
Volume: 64(4)
Pages: 630-636
Peer Reviewed
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[Presentation] 婦人科悪性腫瘍に対するCART(腹水濾過濃縮再静注法)の有用性に関する検討2015
Author(s)
川田 淑子, 長阪 一憲, 松本 陽子, 織田 克利, 山下 亜紀, 曾根 献文, 森 繭代, 足立 克之, 有本 貴英, 花房 規男, 川名 敬, 大須賀 穣, 藤井 知行
Organizer
第53回日本癌治療学会学術集会
Place of Presentation
京都
Year and Date
2015-10-29 – 2015-10-31
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[Presentation] Pegfilgrastimは婦人科腫瘍化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制に有用である2015
Author(s)
外島 由梨, 森 繭代, 折山 豊仁, 山下 亜紀, 曾根 献文, 足立 克之, 長阪 一憲, 有本 貴英, 織田 克利, 川名 敬, 大野 能之, 長瀬 幸恵, 鈴木 洋史, 大須賀 穣, 藤井 知行
Organizer
第53回日本癌治療学会学術集会
Place of Presentation
京都
Year and Date
2015-10-29 – 2015-10-31
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[Presentation] 子宮頸癌手術に傍大動脈リンパ節廓清は不要か? IB2、IIA2、IIB期308例の後方視的検討2015
Author(s)
鶴賀 哲史, 川名 敬, 藤本 麻葉, 三浦 紫保, 森 繭代, 足立 克之, 長阪 一憲, 有本 貴英, 堀江 弘二, 織田 克利, 荷見 よう子, 喜納 奈緒, 八杉 利治, 横田 治重, 藤井 知行
Organizer
第53回日本癌治療学会学術集会
Place of Presentation
京都
Year and Date
2015-10-29 – 2015-10-31
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[Presentation] 腹腔鏡下子宮体癌手術における安全性、手術完遂度、スキルアップ法の検討に関する研究2015
Author(s)
川名 敬, 鶴賀 哲史, 松本 陽子, 森 繭代, 長阪 一憲, 足立 克之, 曽根 献文, 有本 貴英, 田口 歩, 山下 亜紀, 平池 修, 織田 克利, 大須賀 穣, 藤井 知行
Organizer
第53回日本癌治療学会学術集会
Place of Presentation
京都
Year and Date
2015-10-29 – 2015-10-31
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[Presentation] 進行卵巣癌に対するベバシズマブ療法の至適使用および安全性に関する後方視的検討2015
Author(s)
長阪 一憲, 織田 克利, 田中 智基, 田口 歩, 山下 亜紀, 曾根 献文, 森 繭代, 足立 克之, 有本 貴英, 川名 敬, 大須賀 穣, 藤井 知行
Organizer
第53回日本癌治療学会学術集会
Place of Presentation
京都
Year and Date
2015-10-29 – 2015-10-31
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[Presentation] 子宮肉腫の術前鑑別診断 フローチャートの提言2015
Author(s)
山口 広平, 田口 歩, 足立 克之, 山下 亜紀, 曾根 献文, 森 繭代, 長阪 一憲, 有本 貴英, 織田 克利, 川名 敬, 大須賀 穣, 藤井 知行
Organizer
第130回関東連合産科婦人科学会学術集会
Place of Presentation
千葉
Year and Date
2015-10-24 – 2015-10-25
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[Presentation] 子宮頸部胃型腺癌症例における臨床病理学的検討2015
Author(s)
柳澤 愛実, 松本 陽子, 前田 大地, 曾根 献文, 森 繭代, 足立 克之, 長阪 一憲, 有本 貴英, 織田 克利, 川名 敬, 大須賀 穣, 藤井 知行
Organizer
第130回関東連合産科婦人科学会学術集会
Place of Presentation
千葉
Year and Date
2015-10-24 – 2015-10-25
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[Presentation] 既存の分類で診断困難な、筋上皮腫・筋上皮癌への類似性を認めた外陰部悪性腫瘍再発の1例2015
Author(s)
馬場 聡, 足立 克之, 森 繭代, 曽根 献文, 鶴賀 哲史, 長阪 一憲, 松本 陽子, 有本 貴英, 織田 克利, 川名 敬, 大須賀 穣, 藤井 知行, 深山 正久, 柴原 純二
Organizer
第57回日本婦人科腫瘍学会学術講演会
Place of Presentation
盛岡
Year and Date
2015-08-07 – 2015-08-09
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[Presentation] プラチナ製剤を再投与された子宮頸癌再発例に関する予後因子の検討2015
Author(s)
鈴木 研資, 長阪 一憲, 織田 克利, 田中 智基, 山下 亜紀, 曾根 献文, 森 繭代, 足立 克之, 松本 陽子, 有本 貴英, 川名 敬, 大須賀 穣, 藤井 知行
Organizer
第57回日本婦人科腫瘍学会学術講演会
Place of Presentation
盛岡
Year and Date
2015-08-07 – 2015-08-09
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[Presentation] 子宮頸部上皮異形成1368例のHPV型分布の年次推移と年齢分布に関する後方視的検討2015
Author(s)
田中 智基, 長阪 一憲, 川名 敬, 山下 亜紀, 曽根 献文, 森 繭代, 足立 克之, 松本 陽子, 有本 貴英, 織田 克利, 大須賀 穣, 藤井 知行
Organizer
第57回日本婦人科腫瘍学会学術講演会
Place of Presentation
盛岡
Year and Date
2015-08-07 – 2015-08-09
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[Presentation] 子宮頸部神経内分泌腫瘍に対する多施設共同観察研究 早期症例の解析2015
Author(s)
石川 光也, 笠松 高弘, 加藤 達矢, 岡田 智志, 高野 政志, 荷見 よう子, 鈴木 佳世, 谷口 義実, 岩田 卓, 高橋 一彰, 有本 貴英, 金田 容秀, 小野 重満, 児玉 省二, 宮本 強, 津田 均, 福永 真治, 坂本 穆彦, 加来 恒壽, 八重樫 伸生
Organizer
第57回日本婦人科腫瘍学会学術講演会
Place of Presentation
盛岡
Year and Date
2015-08-07 – 2015-08-09
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[Presentation] 20-40歳代の卵巣類内膜腺癌における子宮内膜症合併vs非合併症例の比較検討2015
Author(s)
山下 亜紀, 川名 敬, 曽根 献文, 森 繭代, 足立 克之, 長阪 一憲, 松本 陽子, 有本 貴英, 織田 克利, 大須賀 穣, 藤井 知行
Organizer
第57回日本婦人科腫瘍学会学術講演会
Place of Presentation
盛岡
Year and Date
2015-08-07 – 2015-08-09
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[Presentation] 子宮部分切除およびMEA療法で寛解を得た治療抵抗性侵入奇胎の一例2015
Author(s)
田中 智基, 足立 克之, 曾根 献文, 森 繭代, 長阪 一憲, 松本 陽子, 有本 貴英, 織田 克利, 川名 敬, 大須賀 穣, 藤井 知行
Organizer
第129回関東連合産科婦人科学会学術集会
Place of Presentation
東京
Year and Date
2015-06-20 – 2015-06-21
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[Presentation] 当院における成熟嚢胞性奇形腫悪性転化11症例に対する後方視的検討2015
Author(s)
三村 暢子, 長阪 一憲, 秋葉 直也, 曾根 献文, 森 繭代, 足立 克之, 松本 陽子, 有本 貴英, 織田 克利, 川名 敬, 大須賀 穣, 藤井 知行
Organizer
第129回関東連合産科婦人科学会学術集会
Place of Presentation
東京
Year and Date
2015-06-20 – 2015-06-21
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[Presentation] 当科における子宮頸部胃型腺癌症例の検討2015
Author(s)
柳澤 愛実, 松本 陽子, 曾根 献文, 菊地 良直, 足立 克之, 長阪 一憲, 有本 貴英, 織田 克利, 川名 敬, 藤井 知行
Organizer
第56回日本臨床細胞学会総会
Place of Presentation
松江
Year and Date
2015-06-12 – 2015-06-14
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[Presentation] 子宮体癌に合併するリンパ脈管筋腫症の2症例2015
Author(s)
鈴木 研資, 長阪 一憲, 織田 克利, 鶴賀 哲史, 足立 克之, 松本 陽子, 有本 貴英, 川名 敬, 大須賀 穣, 藤井 知行
Organizer
第56回日本臨床細胞学会総会
Place of Presentation
松江
Year and Date
2015-06-12 – 2015-06-14
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[Presentation] Interval Surgery(IS)を施行した進行卵巣癌の再発に関する検討2015
Author(s)
田中 智基, 長阪 一憲, 山下 亜紀, 池田 悠至, 鶴賀 哲史, 足立 克之, 松本 陽子, 有本 貴英, 織田 克利, 川名 敬, 大須賀 穣, 藤井 知行
Organizer
第67回日本産科婦人科学会学術講演会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
2015-04-09 – 2015-04-12
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[Presentation] 子宮頸部神経内分泌腫瘍に対する集学的治療を探索する多施設共同観察研究2015
Author(s)
石川 光也, 笠松 高弘, 加藤 達矢, 岡田 智志, 高野 政志, 荷見 よう子, 鈴木 佳世, 谷口 義実, 高橋 一彰, 有本 貴英, 金田 容秀, 岩田 卓, 小野 重満, 児玉 省二, 宮本 強, 中西 透, 水野 美香, 馬場 長, 松本 佳也, 中井 英勝, 野河 孝充, 有吉 和也, 井上 貴史, 横山 正俊, 齋藤 文誉, 川畑 宜代, 久高 亘, 恩田 貴志, 八重樫 伸生
Organizer
第67回日本産科婦人科学会学術講演会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
2015-04-09 – 2015-04-12
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[Presentation] 肥満患者の創部感染予防におけるDouble Aspiration Catheter(DAC)法の有用性2015
Author(s)
鈴木 研資, 松本 陽子, 池田 悠至, 鶴賀 哲史, 足立 克之, 長阪 一憲, 有本 貴英, 織田 克利, 川名 敬, 大須賀 穣, 藤井 知行
Organizer
第67回日本産科婦人科学会学術講演会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
2015-04-09 – 2015-04-12