2014 Fiscal Year Annual Research Report
更年期代謝障害とうつに対するエストロゲンの中枢作用に立脚した新規補充療法の開発
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25861480
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| Research Institution | University of Toyama |
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Principal Investigator |
米澤 理可 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (70649293)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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| Keywords | エストラジオール / 中枢作用 / 閉経 / うつ / 不安 / ホルモン補充療法 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
エストラジオール(E2)は末梢組織に直接作用し糖脂質代謝を改善する。一方で、E２低下に伴い閉経後に増加するうつ病、不安神経症に対して、ホルモン補充療法（HRT）の有効性も示唆されているが、通常は全身投与であり、乳癌や子宮体癌のリスク増加から使用が制限される。そこで中枢選択的なE2投与による糖脂質代謝、うつ・不安の改善効果ならびに作用機序を解明し、合併症を回避した中枢選択的HRTの開発を目的に研究を立案し、以下の結果を得た。
①E2中枢投与による糖・脂質代謝改善作用：閉経肥満マウス(OVX-HF)は肥満と、耐糖能障害・インスリン抵抗性を示し、E2脳室内投与(1μg/kg/日)(E2-ICV)は、E2皮下投与(50μg/kg/日)(E2-SC)と同等の糖代謝改善効果を示した。さらにE2は直接、内臓脂肪の脂質合成（LPL,FAS）と慢性炎症（CD11c, TNF-α）に関連するmRNAを抑制し、中枢性に体温、自発運動量やエネルギー消費量を亢進し、内臓脂肪の脂肪分解と肝糖新生律速酵素を制御することを明らかにした。
②E2中枢投与による抗うつ・抗不安作用：尾懸垂試験において、OVX-HFは不動時間が延長し急性のうつ状態を呈したが、E2-SC、E2-ICVでは改善を認めた。
オープンフィールド試験においてOVX-HFは中央区画侵入回数、滞在時間ともに減少し不安状態を呈したが、E2-SCで中央区画滞在時間の増加、E2-ICVでは中央区画侵入回数、滞在時間ともに増加を認めた。以上から、E2中枢投与がうつ・不安を改善する可能性が示唆された。
③E2中枢投与の抗うつ・抗不安作用におけるメカニズムの解明：海馬において、うつ状態で増加する5-HT1AmRNAの発現がOVX-HFで増加し、E2-SCで減少した。従って、E2が5-HT1Aの発現量を正常化することで不安・うつ様行動を改善したことが示唆された。
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Research Products
(1 results)
